ニュースリリース

「薬局来局者に向けた家庭用心電計を用いた健康啓発事業」を大分県佐伯市の薬剤師会で開始

~地域住民の「心房細動」早期発見を目指して、2022年11月より開始。~
その他

オムロン ヘルスケア株式会社(本社:京都府向日市、代表取締役社長:荻野 勲、以下当社)の心電計付き上腕式血圧計を用いた受診勧奨モデルが、公益社団法人 大分県薬剤師会(会長:安東哲也)と一般社団法人 佐伯市薬剤師会(会長:脇田佳幸)連携のもと、「来局者に向けた家庭用心電計を用いた健康啓発事業」(以下当事業)として大分県佐伯市にて11月より開始しました。2023年3月までに、佐伯市薬剤師会に加盟する薬局18店舗での展開を予定しています。受診勧奨モデルは、心房細動の早期発見機会の創出を目的とし、当社と一般社団法人スマートヘルスケア協会(本社:東京都台東区、代表理事:岡崎光洋、以下、SHCA)が共同で進めている取り組みです。

当事業は、心原性脳梗塞の要因といわれる心房細動の早期発見と治療介入を目的とした取り組みです。地域住民が処方箋調剤などの目的で来局した際に、本人の希望に応じて薬局に設置しているオムロンの心電計付き上腕式血圧計で心電図記録を行い、心房細動の可能性を確認できます。年齢や既往歴などから心房細動の可能性が高いと思われる場合は、薬局から心電図記録を案内します。心電図データから心房細動の可能性を確認した場合は、薬剤師が受診勧奨を行い本人同意の元、トレーシングレポートを作成します。また、疾病リスクの理解促進を狙いとした啓発活動もおこないます。


「薬局来局者に向けた家庭用心電計を用いた健康啓発事業」イメージ

大分県佐伯市では、健康で人生を満喫できる街を目指して、特定健診の受診率および特定保健指導の実施率向上に取り組んでいます。佐伯市の令和元年度の特定保健指導実施率は大分県内で1位となるなど継続的な取り組みが行われています*1。一方で、佐伯市の脳血管疾患の有病率および国保被保険者のレセプト件数は県平均を上回っており、さらなる地域住民の健康増進のためには、今後、取り組みを強化する対象疾患です。

当社は、「脳血管疾患の発症ゼロ(ゼロイベント)」を循環器事業のビジョンとして掲げています。家庭で心電図を記録できるデバイスの開発や、心電図データから心房細動の可能性を解析するサービス展開に挑戦しています。さらに、心房細動の早期発見を目的とした当事業のようなビジネスモデルの実装を進めることで、グローバルでのゼロイベント実現に取り組んでいきます。

  • *1国民健康保険 各年5月診療分データより

一般社団法人 佐伯市薬剤師会 会長 脇田佳幸先生 コメント

健康啓発事業により、心房細動を早期に発見する機会を増やし、治療に繋げる事を期待しています。また、心房細動を発症していなくても、当事業をきっかけに脳梗塞や心房細動リスクについて理解を深めてもらえると考えています。さらに、薬局のイメージが地域住民の健康をサポートする場所として進化してほしいと考えています。

オムロン 心電計付き上腕式血圧計 HCR-7800T 概要

主な特長

  • 血圧測定と一緒に心電図を記録
  • スマートフォンアプリ「OMRON connect(オムロンコネクト)」で心電図波形を解析、心房細動の可能性をお知らせ
  • 記録結果を保存、PDF等で結果を出力できる
  • 本製品は医師や医療関係者の指示により購入できる特定保守管理医療機器です
  • 医療機器承認番号:30400BZX00028000

心房細動について

心房細動は不整脈の一種で、放置すると心原性脳梗塞を引き起こすといわれているため、早期発見と治療介入が重要です。しかし、心房細動を発症した人の約4割が無症状*2といわれるほど自覚症状がほとんどなく、症状が起きてもすぐ治まるため、早期発見が難しいといわれています。心房細動の原因は、加齢や不規則な生活習慣といわれており、例えば高血圧症の場合、そうでない人と比べて心房細動発症率が約3倍高まるというデータもあります。
心房細動は、発作時の心電図を医師が確認することで発見できます。心電図記録の機会を増やし、心電図データを医師と共有することで、心房細動の早期発見と治療介入に繋がります。

  • *2 Senoo K, et al. Circ J. 2012;76(4):1020-1023