「オンライン診療カー」の実証実験に参画。山間地域の医師不足解消へ。
オムロン ヘルスケア株式会社(本社所在地:京都府向日市、代表取締役社長:荻野 勲、以下当社)は、一般社団法人仙台市医師会(会長:安藤 健二郎、以下仙台市医師会)、仙台市(市長:郡 和子)、国立大学法人東北大学大学院工学研究科(大学院工学研究科長:湯上 浩雄、以下東北大学)連携のもと、2023年2月1日より開始された「オンライン診療カー」の実証実験(以下当実験)に参画しています。当実験は、山間地住民の症状を速やかに把握し治療につなげることを目的としており、対象疾患は慢性心臓疾患と慢性呼吸器疾患です。オムロン携帯型心電計HCG-8060Tは、慢性心臓疾患の診療に使用されます。
オンライン診療カーには、通信機能付き聴診器や携帯型心電計などの診療用機材と通話カメラが備えられており、巡回の際には看護師が同乗します。遠隔にいる医師は、画面越しに見える患者の様子とオンラインで共有されるバイタルデータを一緒に確認できるので、患者の状態をより詳しく把握できます。
日本では、医師の高齢化や偏在による都市部を除く地域での医師不足への対応が喫緊の課題です。当社は循環器事業のビジョンに「脳・心血管疾患の発症ゼロ(ゼロイベント)」を掲げています。脳・心血管疾患の発症を防ぐには、定期的な通院と家庭でのバイタルデータの測定が重要です。当実験を通じたパートナー企業との関係構築を積極的にすすめ、医師が定期的に訪問することが難しい地域のゼロイベント実現に取り組みます。
一般社団法人 仙台市医師会 会長 安藤 健二郎先生のコメント
安藤 健二郎先生
一般社団法人 仙台市医師会 会長
医療法人ライヴズ あんどうクリニック 院長
「二つの切り札を検証」
オンライン診療でバイタルデータを活用 ―過疎地医療の切り札―
東北の過疎地域は今後ますます人口減少が進み、今までの医療提供体制が維持できなくなる恐れがあります。東北唯一の政令市である仙台市も郊外の山間地は医師が少なく同様の課題を抱えています。このたびのオンライン診療実証実験では山間地に展開する診療用車両に各種医療機器を搭載し、通信環境が整わない地域からも心電図波形や聴診音などの重要な生体情報が遠隔地の医師に正確に伝送できるかが実験のテーマとなっています。
簡便で手軽な心電図記録で心房細動を早期に察知 ―脳梗塞予防の切り札―
オムロン携帯型心電計HCG-8060Tは両端の電極に左右の手指を乗せるだけで1誘導の心電図が記録される大変便利な装置です。日常の対面診療だけでなくオンライン診療時にも応用が考えられます。加齢に伴って増える心房細動は脳梗塞の主因であり、注意が欠かせません。早期検出には高齢者に使いやすく手軽である装置が必要です。
実証実験の概要
開始日 | 2023年2月1日(水)~2023年3月31日(金) |
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実施場所 | 仙台市内 |
実施内容 | 仙台市の医療過疎地域である山間エリアを、通信機能付き診療用機材を搭載したオンライン診療カーが巡回し、同乗している看護師が診療補助するオンライン診療モデル(DtoPwithN*1型)の実証実験。慢性心臓疾患患者と慢性呼吸器疾患患者の診療を行い、診療用機材の通信品質、操作性と、バイタルデータの要件を評価します。 |
- *1DtoPwithN型:患者同意の下、オンライン診療時に患者は看護師が側にいる状態で診察を受け医師の補助行為をその場で看護師等に指示することで、薬剤の処方にとどまらない治療行為が看護師を介して可能となるもの。
携帯型心電計 HCG-8060T
手軽に持ち運べるコンパクトサイズの携帯型心電計。
本体上部の電極を指で触れて心電図を記録します。記録できる心電図は1誘導と6誘導の2種類。記録した心電図はスマートフォン健康管理アプリ「OMRON connect」に転送され解析されます。解析結果は「心房細動の可能性」「正常な洞調律」など6種類のメッセージで表示されます。
心電図記録シーン
解析結果画面(イメージ)
実証実験に参加する団体および企業
一般社団法人仙台市医師会
仙台市
国立大学法人東北大学大学院工学研究科
情報知能システム研究センター
国立大学法人山形大学有機材料システムフロンティアセンター
NTTスマートコネクト株式会社
オムロン ヘルスケア株式会社
フクダ電子南東北販売株式会社
株式会社ミューシグナル
大和電設工業株式会社
東日本電信電話株式会社 宮城事業部
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