2003.07.01

vol.1 スローピングで効率よく運動を

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スローピングを知っていますか?

Vol.1 スローピングで効率よく運動を このごろ足腰が弱った、階段を昇ると息切れする…そんなふうに感じている中高年の方はとても多いはず。駅や会社、マンションなどでは階段をさけ、もっぱらエレベーターやエスカレーターを利用していませんか。それではますます足腰や心肺機能が弱るばかりです。
運動の大切さはわかっていても、時間がないし、効果のほどもよくわからない…そう感じている人にピッタリの運動が「スローピング」。坂道や階段といったスロープ(傾斜地)を利用して、短時間で効率よく運動効果をあげようというものです。
平地を歩くのと比較すると、坂道や階段の昇り降りは足腰の筋肉に大きな負荷がかかります。傾斜5度くらいのゆるやかな坂道でも、平地の2~3倍もの運動強度になります。そのぶんウォーキングの効果に加え、下半身の筋肉をきたえる運動によって基礎代謝量を高めることもできるので、肥満の解消や生活習慣病の予防にも向いています。

自分のペースでゆっくりと

スローピングは、基本的には坂道や階段を昇り降りする簡単な運動です。最近は各地の運動教室で取り入れているところもありますし、自分で始めるなら国際スローピング協会(Tel.045-314-6378)の代表・奈良岡治成氏の著書『"スローピング"完全入門』(宝島社新書)を参考にするのもいいでしょう。 この本では、さまざまなスローピング方法が紹介されています。たとえば階段の場合、高齢者など足腰の弱い人向けの1段活用法や、足腰をしっかりきたえたい人向けの5段活用法など。坂道の場合には、30歩法から315歩法まで…自分の体力や気力に応じて、運動方法を選ぶことができます。
ウォーキングとの大きな違いは、速さをあまり必要としないこと。自分に適したペースで運動できるので、足腰や膝の弱い人、肥満気味の人にも向いています。
短時間で運動効果をあげやすいことも、スローピングのメリットです。5段程度の階段なら、昇り降りを5往復しても10~15分間くらいしかかかりません。そのわりに運動量が多く、心肺機能と筋肉が同時にきたえられます(始めてみるとわかりますが、けっこういい運動量になります)。
もうひとつ興味深いのは、スローピングには後ろ向き歩行が取り入れられていること。後ろ向き歩行をすると、ふだん使わない足の筋肉が強化されます。
坂道や階段ではその効果がとくに高く、日常生活の立ち居振る舞いが楽になるといった効果もみられます。ただし後ろ向き歩行は、慣れないうちはつまずきやすいので、ゆっくりしたペースで始めましょう。

スローピングを始めてみませんか?

スローピングを始めるときは、まず自宅の近くに適当な坂道か階段を探してみましょう。いきなり傾斜のきつい場所を選ぶと下りが危険なので、初めはゆるやかな場所にします。階段なら5~10段程度あれば十分ですが、転倒防止のために手すりが付いていることが条件です(足腰の弱い高齢者には、家族などの補助が必要です)。
すでにウォーキングをしている場合は、コースの途中に公園や神社の階段を取り入れるのもいいでしょう。また、足腰が弱い人や時間のとれない人なら、自宅玄関の上がりかまちの1段を利用して、始めることもできます。わずか1段でも、昇り降りをくり返すとかなりの運動量になります。
基本的には歩くだけですから、年齢に制限はありませんし、道具もいりません。ただ靴は歩きやすく、脱げにくいものを選びましょう。
スローピングは、高血圧や高脂血症、肥満などにとくに効果があるといわれます。運動を続けながら、定期的に血圧や体脂肪などを測定しておけば、効果の程度がよくわかりますし、なによりも日常の健康管理にも役立ちます。ウォーキングやジョギングがなかなか続かなかった人、あるいは効果がみられなかった人は、スローピングを試してみてはどうでしょうか。

スローピング例「5段活用法」の場合

「5段活用法」では、階段を5段分昇り降りします。背筋を伸ばし、手すりに手を添えながら、まず5段分を昇ります。このとき「げ・ん・き・よ・く」と声を出しながら歩くと調子が出るそうです。5段分を昇ったら、回れ右をせず、後ろ向きのままで階段を降ります。ペースには個人差がありますが、5分程度を1セットとして、少しずつ増やしながら4セット(20分)を目標にします。ただし、後ろ向きで階段を降りると、ふだん使わない筋肉への負荷が大きいので、最初から長時間おこなわないこと。転倒の危険もあるので、かならず手すりにつかまってゆっくりおこなってください。
慣れてきたら発展形として、1段とばし(5歩で10段)の昇り降りをすると、筋肉の鍛錬にはより効果的とされています。この場合にも後ろ向き歩行では、しっかり手すりをつかむことが大切です。
初心者や高齢者向けの「1段活用法」では、1段分を利用して同様の運動をおこないます。この場合には、昇り降りの向きを逆にする(前向きに降りて、後ろ向き歩行で昇る)方法も取り入れられています。
坂道を利用する場合は、30歩、100歩というように歩数を決めます。背筋を伸ばし、手を大きく振って、歩幅を広めにしてまず昇ります。次に回れ右をして、同じ歩数だけ降ります。慣れてきたら、後ろ向き歩行を取り入れますが、手すりのない急な坂道では危険なのでやらないようにしましょう。(奈良岡冶成『"スローピング"完全入門』より抜粋構成しました)

  • このコラムは、掲載日現在の内容となります。
    掲載時のものから情報が異なることがありますので、あらかじめご了承ください。

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