2012.06.08

vol.108 足の臭いが気になったら水虫にも注意

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なぜ足が臭うの?

Vol.108 足の臭いが気になったら水虫にも注意 蒸し暑くて、汗をかきやすい季節です。汗をよくかく場所といえば、腋(わき)の下や首まわり、顔、手のひらなど。
でも、足の裏にも汗腺が密集していて、意外なほどたくさん汗をかくことをご存じでしょうか。個人差はありますが、1日にコップ1杯もの汗をかくといわれます。そのため蒸し暑い季節には、「足の臭いが気になる」という方が増えてきます。
腋の下などに多い汗腺はアポクリン腺といって、汗と一緒に脂肪やタンパク質などが排出されるため、臭いを発しやすくなります。それに対して足に多い汗腺はエクリン腺といって、脂肪などがほとんどふくまれていないので、本来は臭いがありません(※1)。それなのに、なぜ足が臭うのでしょうか。
じつは足の臭いは、「靴・汗・雑菌」という3つの条件が重なることから生じます。①同じ靴を長時間はいて蒸れること、②汗と汚れで不潔になること、③雑菌(バクテリア)が繁殖することで、すえたような強い臭いが発生するのです。
こうした条件は、水虫ができる条件とほとんど同じです。そのため足の臭いが気になったら、水虫にも注意する必要があります。
また糖尿病の方は、水虫がきっかけで感染症を発症し、壊疽(えそ)などの重大な病気になりやすいことも指摘されています。
予防のための第1歩は、足の臭いのケアです。そのための対策を知っておきましょう。

(※1)エクリン腺の汗は99%が水分ですが、尿素やアンモニアもわずかにふくまれています。

足と靴の両方が臭う

足の裏のエクリン腺は、蒸し暑さだけでなく、精神的なストレスの影響を受けやすい傾向があります。緊張したり興奮したりすることを「手に汗をにぎる」といいますが、そのとき足の裏もかなりの汗をかいています。
現代はストレス社会といわれるように、私たちは日常的にさまざまなストレス(通勤のラッシュ、仕事の忙しさ、車の運転、人間関係、病気など)を受けながら暮らしています。それだけストレス性の発汗が多いわけですが、とくに緊張したときに顔や手のひらに汗をかきやすい人は、足の発汗にも注意が必要です。
汗をかくことは、体温調節に欠かせませんが、問題は汗の処理です。足の裏は靴や靴下(ストッキング)に包まれているので、汗をかいた後、すぐに拭いたり、洗ったりできません。長時間不潔な状態におかれた結果、足だけでなく靴の内側にも雑菌が繁殖し、慢性的に強い臭いを発するようになります。
そのため足の臭いの予防には、足と靴の両方を清潔に保つことが重要になります。足の臭いが気になる方は、次のことを試してみましょう。

①外出時は予備の靴下を2~3足用意し、はきかえる。
②帰宅したら、まず足を洗う(いつも足を清潔に)。
③その日はいた靴の内側に、除菌消臭剤などをかけておく(※2)。
④同じ靴を続けてはかない(はきやすい2~3足を交互に使う)。

また、辛いものを食べると発汗しやすく、脂肪分の多いものを続けて食べると汗が臭いやすくなります。暑い季節には汗をかくことは大切ですが、食事の内容にも気をつけるようにしましょう。

(※2)足の臭いが強い場合は、靴の中にも細菌が繁殖している可能性が高いので、単なる制汗剤よりも除菌タイプが適しています。靴用の除菌消臭パウダーなど、さまざまなタイプが販売されているので、自分に合いそうなものを試してみましょう。

水虫も臭いの原因に

足の臭いの原因となる雑菌は、常在菌といってだれの皮膚にもあるものです。それに対して、水虫の原因となる水虫菌(白癬菌)はカビの一種で、ほかの人から感染します。
菌の種類は違いますが、水虫菌も高温多湿で不潔な環境だと、感染しやすく、また活動的になります。それだけに足の臭いがするようなときは、水虫に感染しないように注意することが大切です。
水虫菌そのものは臭いを発しませんが、水虫菌によって皮膚が荒れて抵抗力が落ちると、そこに雑菌が入り込み、臭いを発するようになります。とくに足の指の間にできる指間びらん性水虫は、強い臭いを発する傾向があります。
足の臭いが強い場合は、すでに水虫に感染している可能性もあるので確認してみましょう。水虫はかゆいと思いがちですが、できる場所などによっては、かゆみがないものもあります。足の指、裏、かかとなどに小さな水泡がいくつもできたり、皮膚がパラパラと落ちるような場合は、皮膚科で検査してもらいましょう。

<水虫の予防のために>
①足をいつも清潔にする(臭いがしたら注意を)。
②家族や同居者に水虫の人がいる場合は、スリッパや足ふきマットを別にする。
③睡眠や食事をきちんととり、からだの抵抗力を高める。
④水虫かなと思ったら、早めに受診して検査を受ける。

水虫は、会社員の2~3人に1人が経験しているほど多くみられます。大半の方は、かゆみや水泡が治まると薬を止めてしまいますが、水虫菌は菌糸を伸ばして皮膚の奥に潜んでいるので、再発をくり返すことも少なくありません。症状が治まっても、しばらくは薬を続けるようにしましょう(治療を受けている場合は、医師の指示にしたがってください)。

糖尿病と水虫の関係

糖尿病やその予備軍の方は、免疫力が低下し、感染症にかかりやすいことはよく知られています。水虫も、皮膚に起こる感染症の1つなので、まず感染しないように注意する必要があります。
また水虫になると、水虫菌の活動に対抗するため、体内でリンパ球などの免疫システムの働きが活発になります。そのとき、皮膚の再生を促進するサイトカイン(タンパク質の一種)がつくられ、皮膚のターンオーバー(入れ替わり)が速まり、古い皮膚がどんどん剥がれ落ちていきます。水虫のときに皮膚がパラパラと落ちる症状は、主にサイトカインによるものです。
皮膚のターンオーバーが必要以上に速まると、皮膚の表面がなかなか固まらず、いつも柔らかい無防備な状態になり、雑菌などがより繁殖しやすくなります。それが足の臭いの原因ともなりますが、糖尿病や血糖値の高い方は炎症を起こしたり、化膿したりすることも少なくありません。さらに進行すると、血管障害や神経障害から潰瘍(かいよう)や壊疽(えそ)のような重大な足の病気を引き起こし、足を失うケースもあります(※3)。
それだけに糖尿病やその予備軍の方は、まず水虫にならないことが大切です。また、水虫になっても、患部をかいたりせず(感染の危険性が高まります)、早めに治療を受けるようにしましょう。
足の臭いは、足の病気の予防のきっかけともなるので、放置せずにケアをし、いつも清潔な状態を保つことが大切です。

(※3)潰瘍や壊疽は、ケガや水虫などによる感染がきっかけで生じやすく、糖尿病の合併症(血管障害や神経障害)が原因とされています。足の先端部から起こることが多く、進行すると足の切断が必要となります。

  • このコラムは、掲載日現在の内容となります。
    掲載時のものから情報が異なることがありますので、あらかじめご了承ください。

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