2020.01.10

vol.199 今年こそ運動を習慣化させよう!

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Vol.199 今年こそ運動を習慣化させよう!

健康のために運動の継続は大切だとわかってはいるものの、時間に余裕がない、一人ではやりにくい、仕事が忙しい、面倒であるなど、さまざまな続けられない理由があります。しかし、運動習慣や継続こそが、自身の健康生活、そして医療費削減など社会への貢献につながります。決意を新たに今年こそ運動を継続させようと誓ったミドル&シニア世代に、運動の習慣化のコツをレクチャーします。

「好き」をキーワードに運動を選ぶ

厚生労働省が主導する国民健康づくり対策「健康日本21(第二次)」では、運動を習慣としている人の定義として「1回30分以上の運動を週2回以上実施、1年以上継続している者」としています。(※1) これを行っている人の割合の目標値を、20~64歳の男性は36%、女性は33%、65歳以上は男性58%、女性48%としていますが、厚生労働省「平成 29 年 国民健康・栄養調査結果の概要」によると、20~64歳の男性は26%、女性は20%、65歳以上は男性46%、女性39%と、9~13ポイント下回っています。

運動の習慣化・継続化に関する研究によると、運動を続けられない理由として「時間に余裕がない」、「一人ではやりにくい」、「面倒である」、「仕事が忙しい」などが多く挙げられました。中高年女性は「家庭の理解と協力がない」という意見もあり、育児や介護などが習慣化を阻害していることもわかりました。(※2)

習慣的な運動が生活習慣病の予防につながるなど、運動の健康効果が高いことは多くの研究で明らかになっています。しかし、頭ではわかっているものの、なかなか行動に移せない要因がいくつもあるようです。運動習慣を作るためには、以下の4つが影響するとされています。(※3)

  1. 1.【身体的要因】運動が可能な身体状況や体力
  2. 2.【環境的要因】時間、施設設備、費用、指導者
  3. 3.【社会的要因】周囲の理解、運動集団への所属
  4. 4.【心理的要因】運動効果に対する理解、目的意識、運動自体の楽しみ、運動志向性、運動有能感

この中で個人の意志で解決できる可能性が高いものは、心理的要因です。消極的から積極的へ変える1つ目のキーワードは「好き」。運動が体にいいからと、フィットネスクラブに所属したものの会費だけ払って通っていない、ウォーキングを始めたものの三日坊主に終わった、道具はそろえたものの一度も使っていない。これらの運動が、本当に好きだったのかよく考えてみましょう。実は歩くのがキライ、走るのは苦手なのにウォーキングやジョギングを始めていませんか?

心理的に好ましい運動をすることが継続には重要とする研究報告があります。(※4) まずは運動を始める動機として、「好き」を基準に選ぶことが大切なのです。社会的要因としての運動施設の問題などもありますが、歩くより踊る方が好き、走るより球技を行う中で走るの好きなど、少しでも自分の「好き」に近づくような運動を選ぶことがポイントです。

コミュニティーに参加し仲間をつくる

成人の運動習慣を継続させるための研究では、以下の5つを継続要因だとして挙げています。(※5)

  1. 1.仲間がいる
  2. 2.自分なりの目標を持つ
  3. 3.自らを意識づける
  4. 4.参加する場所や指導者がいる
  5. 5.成果が見える

同研究では、研究機関が主体となり1年間運動トレーニングを行い、その後は参加者主体としましたが約8割が運動を継続していました。継続した人たちからは「一人ではできないが、参加者と一緒だと楽しめると感じた」という意見が多数を占めています。

コミュニティーや団体など、スポーツ組織に参加することで仲間ができ、その仲間たちと交流を持ち、励まし合い、誘い合いながら活動することが習慣化へつながります。好きな運動を、ひとりではなく仲間と楽しく行うことが、運動を続ける大きな要因となるのです。

さらに、スポーツ組織に参加して運動を行う人は、単独で行うよりも要介護リスクが低く、身体的・精神的疾患のリスクを低くするとしています。(※6) グループでの運動が、身体的機能の向上、社会とのつながり、活動的な気持ちや楽しみとなり、バランスのよい健康に寄与するようです。

成果が実感できる目標設定を

運動を習慣化するために目標を持つことが大切ですが、ハードルを上げずに低いところから始めるのもポイントです。運動の継続意欲に影響を及ぼす心理要因として「運動有能感」が挙げられます。(※3) 運動有能感を簡単に言うと「やればできる!」、「やった!」という肯定的な感覚のことです。

年齢層が近い人が集まる団体に所属する、経験があってもブランクがあれば初心者コースから始めてみるなど、自分なりに成果が見えるところから始めてみましょう。成果が見えれば、やる気につながり、習慣化の道は開けていきます。

今年始めた運動が、来年の今頃も楽しく続けていられるよう、心理的特性を利用してみてはいかがですか?

(※1)厚生労働省「健康日本21(第二次)」

(※2)小原史朗他「運動・スポーツの習慣化・継続化に関する調査研究」愛知工業大学研究報告第50号 平成27年

(※3)中村恭子他「健康運動の継続意欲に及ぼす心的要因の検討 -ジョギングとエアロビックダンスの比較―」順天堂大学スポーツ健康科学研究 第8号,1~13(2004)

(※4)鍋谷照他「運動継続のための新しいアプローチ」健康科学,23, 103-116

(※5)石野レイ子他「成人の運動習慣を継続するための支援に関する実証的研究 ―運動習慣の継続要因の検討―」関西医療大学紀要, Vol. 10, 2016

(※6)齋藤 義信他「地域コミュニティにおける運動継続に関わる要因の類型化と支援方法の仕組みづくり」平成29年度健康・体力づくり事業財団研究助成

  • このコラムは、掲載日現在の内容となります。
    掲載時のものから情報が異なることがありますので、あらかじめご了承ください。

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