vol.131

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Q質問

糖尿病の食事療法で、「カーボカウント」という方法があると聞きました。どのような方法なのでしょうか?

A回答

ご飯、パン、麺類などの炭水化物を摂取すると、血糖が上昇します。「カーボカウント」とは、毎食ごとの炭水化物(カーボハイドレート)の量を計算(カウント)する、糖尿病の食事療法のひとつです。食後の急激な血糖上昇を抑え、炭水化物量に合わせてインスリン量を調節することができるので、食事の自由度が広がります。主食などの炭水化物をまったく摂らない「糖質制限」とは異なります。
糖尿病があってもなくても、低脂肪の食事と健康的な食材を摂ることは食事療法の基本です。それに加えて、糖尿病の人は、炭水化物に注目すると食後の急激な血糖上昇を抑えることができます。

3大栄養素(炭水化物、たんぱく質、脂肪)の中で、血糖を上昇させるのは炭水化物です。2型糖尿病の人が通常量のたんぱく質を摂っても血糖は上昇しませんが、1型糖尿病の人が通常量の倍以上のたんぱく質を摂ると、血糖はゆっくり大きく上昇します。脂肪は、血糖を上げるというよりも、胃の動きが鈍くなることで血糖上昇を長引かせます。
カーボカウントには、毎食の炭水化物量を一定にする「カーボカウント基礎編」と、炭水化物の摂取量に合わせて注射するインスリン量を調節する「カーボカウント応用編」がありますが、いずれも食事に含まれる炭水化物量を計算することが必要です。 日本人成人男性の1日の総炭水化物摂取量は平均すると約300g、成人女性では約240gです。

一回の食事に含まれる炭水化物量は、例えば和朝食なら
 ・ご飯お茶碗1杯少なめ(120g)→炭水化物45g
 ・焼き魚→炭水化物0g
 ・みそ汁→炭水化物8g
 ・小松菜のおひたし→炭水化物3g
 ・卵1個→炭水化物0g
 ・みかん1個→炭水化物8g
で、トータル64gとなります。

洋朝食なら、  ・食パン6枚切り1枚→炭水化物30g
 ・普通牛乳(200mL)→炭水化物10g
 ・クッキー3枚→炭水化物19g
で、炭水化物量はトータル59gとなります。

つまり、カーボカウントでは、主食(でんぷん)、果物(果糖)、乳製品(乳糖)、お菓子(砂糖)に注目すればよいわけです。少し炭水化物を控えたいなら、1食の炭水化物量を男性なら60~75g、女性なら45~60gに収めるように調整してもよいでしょう。強化インスリン療法を受けている人やインスリンポンプを使っている人では、炭水化物量に合わせてインスリン量を調節することができるため、外食や旅行などの際のインスリン調節にとても便利です。

カーボカウントについて、また炭水化物量の計算方法は、下記の本にも詳しく載っています。ぜひ参考にしてみてください。
<参考図書>
・「Dr. 坂根のクイズでわかる糖尿病カーボカウント 初級編」
  坂根直樹(医歯薬出版)2011年
・「すぐわかる!すぐできる! 糖尿病の食事療法 カロリーつきカーボカウントナビ」
  監修:坂根直樹、著:佐野喜子(エクスナレッジ)2010年
・「糖尿病の食事療法 カロリーつきカーボカウントナビ2」
  監修:坂根直樹、著:佐野喜子(エクスナレッジ)2012年
・「カーボカウントに役立つ食品成分表 ひと目でわかる! 糖質」
  監修:坂根直樹、著:佐野喜子(エクスナレッジ)2012年
・「糖尿病患者のためのカーボカウント完全ガイド」
  監訳:坂根直樹・佐野喜子(医歯薬出版)2007年

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