vol.144 60代男性です。最近よくいわれる「健康寿命」を延ばすために、日常生活でできることはあるでしょうか?
生活習慣病Q&A
- 60代男性です。最近よくいわれる「健康寿命」を延ばすために、日常生活でできることはあるでしょうか?
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生活習慣を適正に保ち、病気の予防に気を配れば、延ばすことも可能です。健康寿命とは、日常生活に支障がなく、文字通り健康で自立した生活を送ることが可能な期間を指します。現在、日本の平均寿命は世界的にみても長く、女性は86.61歳、男性は80.21歳となっています(厚生労働省「簡易生命表」2014年7月31日発表より)。しかし健康寿命は、2013年の発表では女性が74.21歳、男性が71.19歳。平均寿命との差は女性が約12年、男性が約9年もあり、人生の終盤にかなり長い期間、不健康な期間が生じることが明らかになっています。
健康寿命と平均寿命の差が拡がれば、それだけ医療費や介護給付費もかかることから、社会費用負担の面から対策が望まれていますが、なにより個々人においては、できる限り生活の質が高い生活を、長く送りたいものです。
健康寿命に関連する大きな要因は、脳卒中、認知症、老年症候群です。加齢に伴い、心臓の力が弱まることなどによって、高血圧や動脈硬化も進行します。しかし、それには個人差があるので、ある程度遅らせることも可能です。まずは、できる限り早い時期から不健康な生活をあらためて、食生活に気を配り、適度な運動を行うなど健康な生活習慣を確立するように努力しましょう。また、常日頃から健康増進や発病予防といった、一次予防の考え方を持って生活することも重要です。
健康診断などの結果を真摯にとらえ、適切に受診と治療を行えば、健康寿命を延ばすことにもつながるでしょう。
先生のプロフィール

島本 和明 先生
日本医療大学総長
- 略歴
- 昭和46年 札幌医科大学卒業
昭和47年 札幌医科大学第二内科入局
昭和48年 東京大学医学部第三内科研究生
昭和53年 米国サウスカロライナ医科大学 留学
昭和55年 札幌医科大学第二内科講師
昭和59年 札幌医科大学第二内科助教授
平成8年 札幌医科大学第二内科教授
平成16年 札幌医科大学附属病院長
平成22年 札幌医科大学理事長・学長
平成28年 日本医療大学総長 - ご専門
- 内科学全般、循環器、高血圧、腎臓、内分泌、糖尿病