vol.175 高齢者に適した糖尿病の運動療法にはどういったものがありますか。

生活習慣病Q&A
高齢者に適した糖尿病の運動療法にはどういったものがありますか。
高齢者糖尿病の運動療法の目的は、健康寿命を延ばすことにあります。血糖コントロールだけでなく、膝の痛み解消や認知症予防など目的別に、自分に合った運動療法を選ぶことができるといいですね。
高齢者糖尿病の運動療法の目的は、血糖コントロールだけでなく、健康寿命を延ばすことにあります。高齢者糖尿病の人が週に150分以上のウォーキングや自転車こぎなどの有酸素運動を行うことで血糖コントロールの改善や糖尿病合併症の予防が期待できます。足腰が丈夫な人は、「さっさか歩き」と「ゆっくり歩き」を繰り返すインターバル速歩がおススメです。膝に痛みを感じる人は負担の少ない歩き方(セーフティウォーキングや水中ウォーキング)がおススメです。今まで、運動習慣のなかった人は無理をせず15分の散歩から始めてみてはいかがでしょう。

また、スクワット、腹筋、腕立て伏せなどの筋力トレーニングも血糖コントロールに役立ちます。一番効果的なのは筋力トレーニングと有酸素運動を組み合わせることです。筋力トレーニングは、月曜、水曜、金曜など、週に3回が目標です。特に、膝の痛みを感じる人はスクワットや大腿四頭筋トレーニングがおススメです。物忘れなど認知機能が気になる人は、2つのことを同時に行うデュアルタスクがおススメです。このように目的別に運動療法を選ぶことができるといいですね。

そして、何よりもテレビを見ながらゴロゴロしている時間を少なくすることが大切ですね。

先生のプロフィール

坂根 直樹先生

坂根 直樹 先生

独立行政法人国立病院機構京都医療センター
臨床研究センター 予防医学研究室室長
略歴
昭和64年 自治医科大学医学部卒業
昭和64年 京都府立医科大学附属病院(第1内科)研修医
平成3年 大江町国保大江病院内科
平成5年 弥栄町国保病院内科
平成6年 京都府保健福祉部医療・国保課
平成7年 綾部市立病院(内分泌科)
平成10年 大宮町国保直営大宮診療所
平成11年 京都府立医科大学附属病院修練医(第1内科)
平成13年 神戸大学大学院医学系研究科分子疫学分野(旧衛生学)助手
平成15年 独立行政法人国立病院機構京都医療センター(旧国立京都病院)
臨床研究センター 予防医学研究室室長
ご専門
糖尿病、糖尿病教育、内分泌

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