vol.196 気を付けたい!「スポーツによる急性・慢性のけが」

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Vol.196 気を付けたい!「スポーツによる急性・慢性のけが」

スポーツ障害は体の使い過ぎが原因で起こることが多いですが、急性のけがにも注意が必要です。例えば、テニス、バドミントン、バスケットボール、フットサルなどでは、アキレス腱(けん)の断裂や肉離れが起きやすく、アクティブなスポーツを楽しむ人では、膝のトラブルも増えています。スポーツ中のけがは上半身と下半身の両方に起こり、特に下半身に多い傾向があります。中でも中高年からスポーツを始めた人は急性のけがにも配慮し、さらに慢性化させないことが大切です。

スポーツ中のけがが増えている

サッカーに似ていて最近女性にも人気のあるフットサル。少人数でできるため競技人口が増えているスポーツですが、「狭いスペースで瞬時に向きを切り替えるので、急性のけがが増えています」と杏林大学医学部付属病院 整形外科の林光俊医師は話します。まずはスポーツ中に気を付けたい急性のけがを知っておきましょう。

  • アキレス腱の断裂
    スポーツ中のダッシュを中心にアキレス腱に急激な緊張がかかり、断裂します。また、普段運動していない人が運動会に駆り出されて起こるなど、中高年に多くみられるスポーツ障害です。アキレス腱が断裂した場合、治療は手術と固定の両方があります。縫合する手術が主流になりますが、全て手術するわけではなく、サポーターなどで固定して治療することもできます。
  • 肉離れ(筋肉の断裂)
    スポーツ中に筋肉に負担がかかり、筋肉の線維が切れたり、筋肉の表面にある筋膜が破れたりすることで、肉離れが生じます。特にふくらはぎに起きることが多く、運動前のウオーミングアップ(準備体操)が足りないときや、疲れているときに体のバランスが崩れ、切れることがあります。治療は手術や固定をせずに、日常生活をしながら、時間をかけて徐々に筋肉を修復させます。
  • 膝内側側副靭帯(ひざないそくそくふくじんたい)
    膝関節は、前十字靭帯(ぜんじゅうじじんたい)、後十字靭帯(こうじゅうじじんたい)、内側側副靭帯(ないそくそくふくじんたい)、外側側副靭帯(がいそくそくふくじんたい)などで支えられています。膝内側側副靭帯の損傷は、膝内側を閉じる靭帯が断裂して膝の安定性が損なわれます。「膝内側側副靭帯断裂は、その後に半月板や関節の軟骨などを痛めることがあります。どこが損傷しているか、整形外科の専門医の診察を受けることが大切です。また、膝のぐらつきは背骨など新たな痛みにつながります。無理に早く復帰すれば余計に負担がかかったり、慢性化したりするので、きちんと診察を受けてほしいと思います」(林医師)。

スポーツ中の急性のけがを防ぐポイント

スポーツ中の急性のけがは、運動前と運動後のセルフケアで予防することが大切です。練習や試合の時間を優先していると、日々の体の手入れがおろそかになりなるので気を付けましょう。スポーツ時のけがを防ぐ林医師のアドバイスをまとめました。

  1. 運動前と運動後はセルフケア(ストレッチ、アイシングなど)をしましょう

    運動前と運動後は、時間をかけて行いましょう。「運動前と後に何となくストレッチなどをするのではなく、目的を意識しましょう。トップレベルの選手ほど運動前のウオーミングアップと運動後のクールダウンなどを欠かしません」。

  2. 積極的に休息を取りましょう
    積極的に休息を取りましょう。林医師はこれを「アクティブレスト」と名付けています。「運動は体にいいと思っている人が多いのですが、消耗と再生の繰り返しです。きちんと休息を取り入れないと、ダメージの方が多くなります。トッププレーヤーほど1日先、1週間先、1カ月先のコンディション作りを考えて休んでいます」。スポーツを長く楽しむには、適度な休息が必要です。

違和感があったら早めに受診を

スポーツを始めたら、年齢を問わず誰でもスポーツ障害になる可能性があります。特に中高年になってからスポーツを始めた人では、変形性膝関節症を抱えながら行っていることがあります。スポーツ障害は多種あり、その人に合ったサポーターや装具なども違うため、自己流のセルフケアはなるべく避けて、整形外科の専門医に一度相談することが大事です。
また、痛みや腫れがなくても、膝がカクンとする、脚に力が入らない、歩きにくい、つま先立ちができないなどの症状や違和感があるときは、早めにスポーツ障害に詳しい整形外科の専門医の診察を受け、慢性のけがにしないよう予防しましょう。

監修  杏林大学医学部付属病院 整形外科 医学博士 林 光俊先生
取材・文 阿部 あつか

  • このコラムは、掲載日現在の内容となります。
    掲載時のものから情報が異なることがありますので、あらかじめご了承ください。

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