vol.52 甲状腺がんは女性だけの病気ではない!

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Vol.52 甲状腺がんは女性だけの病気ではない! 先ごろ宮崎県の東国原知事の「甲状腺腫瘍」発表で、「えっ、甲状腺腫瘍は男性にもできるんだ!」と、驚きの声を多く耳にしました。確かに甲状腺の病気は女性に多く発症することは間違いありません。しかし、全体の20%を男性が占めていることを忘れると、甲状腺の病気を見逃しかねません。幸い、東国原知事の甲状腺腫瘍は良性でしたが、悪性の甲状腺がんも大いにクローズアップされました。

甲状腺は首の“のど仏”の下にあり、蝶が羽を広げた形をしています。大きさは3センチ、重さは16グラム程度です。正常な甲状腺は軟らかくて薄いので触れても分かりません。
甲状腺の働きは海草の中のヨードを取り込み、甲状腺ホルモンを作って分泌し、からだの新陳代謝を盛んにします。子どもにおいては成長を促進させます。

甲状腺腫瘍の多くは良性で、良性腫瘍の多くは手術や投薬をせずに経過観察となります。たとえ悪性と診断されても、甲状腺がんの多くは命にかかわらないがんなので、あまり心配することはありません。甲状腺がんの特徴は、他の腫瘍と異なり20代の若い方からも発症することです。この点注意する必要があります。

甲状腺がんは「乳頭がん」「濾胞(ろほう)がん」「未分化がん」「髄様(ずいよう)がん」「悪性リンパ腫」の5つに分類されます。その中でも85%を占めているのが乳頭がんで、次いで約10%が濾胞がん、残り5%が未分化がん、髄様がん、悪性リンパ腫です。
これらの甲状腺がんは初期にはほとんど症状がなく、健診などで指摘されて分かるケースが多いのが現状です。ただ、進行すると、のどに圧迫感があったり、声がかすれたり、気管や食道に浸潤すると血痰が出たり、物が飲み込みにくいといった症状があります。

検査は、まず「触診」で腫瘍の有無が分かり、次に「血液検査」で未分化がんや髄様がんが分かります。「超音波検査」で腫瘍の良性か悪性かが分かり、「細胞診」で最終的な診断が下されます。
治療は乳頭がん、濾胞がん、髄様がんでは手術が基本となります。がんが小さい場合は、「小切開甲状腺切除術」が行われます。首の傷は3~4センチなので、術後はシワと区別がつきにくいほどになります。しかし、進行すると甲状腺全摘などの大きな手術を行うことになり、術後の合併症として声帯に関係する反回神経を切離した場合は「しわがれ声」と「誤飲」が起きます。
そして、未分化がんと悪性リンパ腫の治療では、化学療法や放射線療法が優先されます。

甲状腺がんは基本的に際立った症状が現れないので、なおのこと、東国原知事のように毎年人間ドックを受け、早期発見を心がけることが大事なのです。
  • このコラムは、掲載日現在の内容となります。
    掲載時のものから情報が異なることがありますので、あらかじめご了承ください。

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