vol.98 ご用心!あなどれない飛蚊症

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Vol.98 ご用心!あなどれない飛蚊症 「蚊や髪の毛のような物が飛んで見える」というと、眼科医でなくても『飛蚊症(ひぶんしょう)』と口にする人が多いほど、近年では広く認知されています。しかし、それ以外にも多くの症状があることはあまり知られていません。
たとえば、「薄いベールがかかってパッと消える」「雲が出ているよう」「ネズミがチョロチョロと脇の方に走っていく感じ」などの症状があります。「蚊が飛んでいる」というのは飛蚊症のひとつの症状を典型的にいっているのであって、実在していないがチラチラする物が見えるようであれば、それはすべて飛蚊症の可能性があると考えてよいでしょう。

その原因の大部分は眼球の形を保っている、眼球の中央にある硝子体(しょうしたい)の加齢変性です。硝子体は無色透明のゲル状の組織ですが、年をとるとゲル状部分と液状部分とに分離してしまいます。すると、ゲル状の硝子体は眼球内で動くようになり、網膜に接着していたところがはがれてしまいます。これが後部硝子体剥離で、このときに飛蚊症の症状が現れます。つまり、ゲル状部分と液状部分の境目のはがれた硝子体線維が濁りとなり、目を動かしたり、まばたきをしたりすると目の中で動き回ります。蚊が飛んでいるように見えるのはその濁りの影をとらえるからです。

ほとんどの場合は、加齢などの生理的変化によるものなので、特に治療の必要もなく心配いりませんが、別の原因で症状が発生する場合があり、中には緊急を要するものもあります。
今日、統計的には飛蚊症の95%は加齢変性が原因だと言われています。残りの5%のうち、緊急を要するケースが3%、残り2%は炎症などが原因だということです。
緊急を要する3%とは、一体何でしょうか。原因としてさまざまな病気が考えられますが、最も緊急を要するのが、網膜に孔(あな)が開く『網膜裂孔』、網膜がはがれる『網膜剥離』で、失明に結びつきかねません。
2%の発生原因である目の中の炎症にはいろいろありますが、中でも目のぶどう膜に炎症が起こる『ぶどう膜炎』は注意が必要です。すぐに失明に結びつくことはないものの、長引くと視力障害が残ります。

たかが飛蚊症、されど飛蚊症。飛蚊症に気付いたら、すぐに眼科へ行きましょう。まずは、しっかりと症状を伝えて、本当に飛蚊症なのかどうかを相談してください。飛蚊症であることがわかると、「眼底検査」を受けましょう。この検査は、網膜の異常の有無を調べるものです。瞳孔を広げる薬を点眼して「倒像鏡(とうぞうきょう)」や「細隙灯(さいげきとう)顕微鏡」などで詳しく観察します。
何かしらの症状を感じたときには、「飛蚊症だから大丈夫」と決めつけずに、まずは目のチェックを受けることが大事です。
  • このコラムは、掲載日現在の内容となります。
    掲載時のものから情報が異なることがありますので、あらかじめご了承ください。

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