高血圧改善
食材選びと調理方法のポイント

高血圧というと無理な減塩、油なしの味気ない病人食…という暗いイメージを受けますが、実は全く違います。
血圧が高くなる原因のひとつに老化現象があります。それを防ぎ、新しい細胞を生み出すためにも、毎日の食事はあなたのしなやかな血管をつくり出すためにとても重要です。
たくさん食べればいいのか?というとそういうわけでもありません。もし、体重が重いようでしたら、肥満という因子だけでも血圧は上がりやすくなります。逆にいえば、体重が軽くなるだけで、血圧は安定する方もいるくらいです。
塩分のとりすぎも血圧が上がる原因ですが、食欲がなくなり、ストレスになるような減塩に固執した食事をする必要は全くありません。塩分は、料理法で適塩にする工夫をしたり、ちょっとした食べ方の工夫でおいしくとりましょう。
カリウムをとることで、体内の余分なナトリウムを尿中に排泄することもあわせて行うと、さらに血圧のコントロールがしやすくなります。
一番大切なのはストレスをかけないこと。高血圧の方はデリケートで繊細な方が多いようです。食事をストレスにせず、逆にストレス解消に役立てましょう。
アルコールも適量でしたら、楽しみましょう。料理の献立表にもアルコール飲料を(240kcal程度)とっても大丈夫なように余裕をもって、そして合う料理も随時提案します。でも、毎晩の深酒は体によくありません。できれば週休2日制で楽しみましょう。
Point1 生き生きしなやかな柔軟性のある血管を生み出すために
たんぱく質を十分に
たんぱく質を含む食品には、卵、乳製品、肉や魚、大豆があります。
特に血圧コントロールの原料に必要なEPAやDHA等の脂を含む魚がおすすめです。
卵はコレステロールが高いから…といって敬遠しないで、毎日1個を目安に食べましょう。また、大豆製品でも納豆は血栓を溶かし、血液の粘度を下げる効果があります。毎食でもかまいませんが、夕食に食べると明朝の血栓予防につながります。
水分補給
血圧が高くなる原因のひとつに血液の粘度も関係しますので、食事時ではなく、日常生活の中でお茶などの水分補給も頻繁に心がけましょう。
植物性栄養成分(フィトケミカル)を十分に体に補給
ポリフェノールは体細胞を老化させる活性酸素から身を守ります。たくさんの種類があり、それぞれその効力に違いがあります。いろいろな色の植物性食品を少量ずつとることが理想です。
色・成分とそれを含む食品例
Point2 適塩のために
- 新鮮な食材を選んで調理する。外食ではお刺身や焼き魚定食を。
- だしやうまみが生きた料理は減塩につながります。
- めんやどんぶり物、味付けご飯は、小どんぶりで…。めん類のつゆは少なめに。
- 漬物や干物など保存食品やかまぼこやたらこ、ハムなどの加工品は塩分を多く含むので、多く食べることは控えましょう。
- 温かいものは温かいうちに…作りたてが一番減塩食に向いています。
- 油を使うと料理にコクがでます。適量(毎食小さじ1~2杯)を毎食使いましょう。
- 香ばしい焼いた香りやかんきつ類や木の芽、そして香草や香辛料を楽しみましょう。
- お酢やかんきつ類を料理に上手に組み合わせましょう。
Point3 カリウムをとるには?
野菜やきのこや海藻はできれば毎食よくかんで食べましょう。カリウムは果物やいもにも含まれます。野菜は1日350g、果物は200g、いもは100gが目安です。
外食でどうしても食べられないときは、トマトジュースやオレンジジュースの補給でもOKです。