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高血圧のリスク

日常生活で出来る、高血圧の予防・改善のためのひと工夫〜食事編〜

生活習慣を見直すと、それ自体で血圧への好影響(軽度の降圧)が期待できるだけでなく、降圧薬を服用している場合には、作用の増強や薬の減量の一助となり得ます。そのため、降圧薬服用しているしていないにかかわらず、生活習慣を積極的に見直し、修正してみましょう。
高血圧の予防・改善のためには、減塩、野菜や果物、魚の積極的摂取、節酒など、生活習慣における食事に関する修正ポイントがあります(表)。今回は、この中のいくつかの項目について、詳しく解説していきます。

食事のポイント(生活習慣における食事に関する修正項目)

  • 減塩(6g/日未満)
  • 野菜・果物の積極的摂取※
  • コレステロールや飽和脂肪酸の摂取を控える
  • 魚(魚油)の積極的摂取
  • 減量(適正体重維持)のための適切なカロリー摂取
  • 節酒(エタノールで男性20-3-mL/日以下、女性10-20mL/日以下)

※積極的摂取が勧められない患者:重篤な腎障害を伴う患者(高カリウム血症をきたすリスクがあるため)、肥満者や糖尿病などのエネルギー制限が必要な患者

「高血圧治療ガイドライン2014」より改変

減塩しましょう

減塩の必要性

食塩の過剰摂取が血圧上昇と関連があることは以前からいわれていますが、減塩による降圧効果も証明されています。世界32の国・地域の20~59歳の男女約1万例を対象としたINTERSALT研究では、食塩摂取量が1日6g低下すれば、30年後の収縮期血圧の上昇が9mmHg抑制されることが示されました1)。これ以外の研究でも、食塩摂取量を1日6.5g以下にしなければ有意な降圧効果は得られないことが示されており、2012年に発表されたWHOのガイドラインでは1日5g未満が強く推奨されています。また、エネルギー摂取量が多いほど、食塩摂取量が多くなりますので、減塩のためにエネルギー制限も行いましょう。

簡単にできる減塩のポイント

1日の食塩摂取量を6g未満とすると、1日3回食の場合には1食あたり約2gとなり、とても少ないように感じますが、食塩量や味付けにメリハリをつけてみるとよいでしょう。例えば、料理の品数が増えれば食塩の摂取量も増えていきますので、品数が少ない朝や昼は1~2g、品数が多くなる夜は2~3gのように、1日のトータル食塩量を考えて献立を考え、食事をしましょう。
減塩のコツは、うまみ、香り、酸味・などを上手く利用し、多くの食塩が含まれる調味料の使用量をできるだけ減らすことです。かつお節や昆布でだしを取って調理するなど、素材の旨みを引き出す料理にしてみましょう。例えば、お味噌汁などの汁物は、具沢山にしてだしをきかせることで、味噌の使用量(塩分の摂取)を減らせます。
そのほか、国立循環器病研究センター「循環器病情報サービス」の中で、食塩制限についての留意点に関してわかりやすくまとめている図がありますのでご紹介します。

【図】食塩制限についての留意点

【図】食塩制限についての留意点
国立循環器病研究センター「循環器病情報サービス」
循環器病あれこれ「食塩と高血圧と循環器病」より引用

肥満を解消しましょう(適正体重の維持)

肥満解消による降圧効果は確立されており、4~5kgの減量で収縮期血圧4mmHg程度の低下が期待できます2)。肥満を伴う高血圧患者ではまず減量をお勧めしますが、急激な減量は体に害を及ぼすこともありますので、長期計画のもとに無理のない減量をしていきましょう。

節酒しましょう

「飲酒量を80%減らすと1~2週間のうちに降圧を認める」との報告があるほか3)、アルコール制限による降圧効果も研究で証明されています4)。大量に飲酒する人は節酒により血圧が上昇することがありますが、節酒を継続すれば血圧は下がってきます。

アルコール摂取量の目安

厚生労働省の示す指標では、節度ある適度な飲酒は「1日平均純アルコールで20グラム程度」と定義しています。
20gとは大体、

  • ビールなら・・・・・・・中瓶1本(500mL缶1本)
  • 日本酒なら・・・・・・・1合
  • チュウハイ(7%)なら・・350mL缶1本
  • ウィスキーやブランデーなら・・・・・ダブル1杯
  • ワインなら・・・・・・・2杯弱

程度に相当し、女性はその半分の量にすべきとされています。
このアルコール摂取量を目安に、自分にとっての“適量”を少なめに設定し、飲む時間は短く、週2回は休肝日をつくって毎日続けて飲まないようにするなど心掛け、アルコールと上手に付き合っていきましょう。

引用文献

1)Intersalt Cooperative Research Group. BMJ 1988; 297(6644): 319-28
2)INTERMAP Research Group.Hypertension 2007; 50: 313-319
3)Puddey IB et al. Lancet 1987; 1(8534): 647-51
4)Dickinson HO et al. J Hypertens 2006;24(2): 215-33

参照資料

日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2014」
公益財団法人 長寿科学振興財団「健康長寿ネット」
厚生労働省 e-ヘルスネット
全国健康保険協会「お役立ち情報」

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