心臓は、上下左右で4つの部屋に分かれており、上部にある部屋を心房といいます。
心房細動は、その心房が1分間に300~500回も震えて心臓が正常に収縮しない病気です。このため心臓から血液を十分に送り出すことができなくなり、心房内に血液がよどんで固まりやすくなってしまいます。この血のかたまり(血栓)が、脳へ流れて脳の血管が詰まってしまうと、脳梗塞が起きるのです。
心房細動が原因で起こる脳梗塞は、脳梗塞全体の20%程度で、その多くは60~70代のお年寄りです。心房細動がある場合に脳梗塞が起こる危険性は、心房細動がない場合に比べて6倍になります。このため、心房細動の治療とともに、血が固まりにくくなる薬で梗塞を防ぐ処置がとられます。
脳の小さな血管が詰まる梗塞の場合、症状がないこともありますが、何度も起こった結果大きな障害が残ることがあるので、注意が必要です。