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動悸は、多くの人が一度は経験したことのある症状ですが、その背景にはさまざまな要因が潜んでいます。一時的な生活習慣の乱れが原因の場合もあれば、心疾患やホルモン異常といった重大な疾患が関係しているケースもあります。この記事では、動悸のメカニズムや主な症状、原因、考えられる病気、検査方法までを詳しく解説します。日々の健康管理の一助として、ぜひ参考にしてください。
「動悸」とは、心臓の鼓動が通常よりも強く、速く、あるいは不規則に感じられる状態を指します。例えば、激しい運動後や驚いたときに感じる「ドキドキ」も一種の動悸ですが、これは一時的な生理的反応です。
一方で、特に原因が思い当たらないのに心拍が乱れる場合は、病的な動悸が疑われます。たとえば、心臓の不整脈やホルモン異常、あるいは精神的ストレスが慢性的に影響している可能性もあります。健康な人でも緊張やカフェインの摂取後に一時的な動悸が起こることがありますが、これらは通常、時間とともに自然におさまります。
動悸の症状は、単に「ドキドキ」するだけではありません。脈が不規則になったり、「ドクン」と脈が飛ぶような感覚があったりします。また、息切れ、ふらつき、冷や汗、胸の圧迫感などを伴う場合もあります。
これらの症状は、血流が一時的に不安定になることで脳や筋肉に十分な酸素が行き届かなくなることが原因です。特に、胸の痛みや強いめまい、失神を伴う動悸は、狭心症や不整脈など重篤な疾患のサインである可能性があるため、速やかな医療受診が必要です。
日常生活の中で起こる動悸の多くは、生活習慣に起因しています。たとえば、ストレスが続くと自律神経のバランスが崩れ、交感神経が優位になって心拍数が上昇し、動悸が起こります。また、カフェインやアルコールには神経を刺激する作用があり、心拍を速める原因となります。エナジードリンクやコーヒーの摂り過ぎには注意が必要です。さらに、睡眠不足や脱水状態も血流や酸素供給に影響し、心臓が過剰に働こうとして動悸を引き起こすことがあります。
病気が背景にある動悸には注意が必要です。たとえば、心臓の不整脈である「期外収縮」や「心房細動」、また冠動脈が狭くなる「狭心症」は、命に関わる可能性もある疾患です。これらはいずれも、心臓の電気信号や血流の異常によって動悸を引き起こします。
また、自律神経失調症やパニック障害でも動悸はよく見られます。これらは精神的なストレスや不安が原因で発症することが多く、動悸と同時に呼吸が苦しくなったり、手足が震えたりといった症状を伴うこともあります。
さらに、甲状腺ホルモンの過剰分泌(甲状腺機能亢進症・バセドウ病))や貧血も、全身への酸素供給を保とうと心臓が過剰に働くため、動悸の原因となります。
ホルモンの変動も動悸の一因です。女性では特に、更年期になるとエストロゲンの分泌が急激に低下し、自律神経のバランスが崩れやすくなります。その結果、突然の動悸やほてり、不眠などが現れることがあります。
妊娠中は血液量の増加やホルモンバランスの変化によって心臓への負荷が大きくなり、動悸を感じることが多くなります。また、生理周期に伴うホルモンの変化でも、自律神経が刺激されて一時的に動悸が起こることがあります。
一時的な動悸は、運動やストレス、緊張などによって一過性に起こるもので、心拍が落ち着けば自然に治まります。一方、慢性的な動悸は、心疾患やホルモン異常、自律神経の乱れが原因で、継続的に起こる傾向があります。
動悸の持続時間や頻度も重要な指標です。短時間で治まるものよりも、日常的に何度も繰り返す動悸や、何分間も続く場合は、病気が背景にある可能性が高くなります。
動悸がいつ起こるかによって、原因をある程度推測することができます。安静時の動悸は、自律神経の不調や不整脈が原因であることが多く、特に夜間や早朝に多く見られます。運動時の動悸は、心肺機能の低下や貧血が背景にあることがあり、体を動かすことで症状が現れます。夜間の動悸は、夕食の内容や飲酒、ストレス、さらには睡眠時無呼吸症候群が影響することもあります。
動悸を感じた際には、まず落ち着いて脈拍を測定してみましょう。手首や首の動脈に指を当て、1分間の拍動数を数えます。また、動悸が起きた時間帯や状況、持続時間、併発症状などを記録しておくと、医師に伝える際に大変役立ちます。
医療機関では、動悸の原因を特定するために以下のような検査が行われます。
動悸を引き起こす可能性のある心臓病には、以下のようなものがあります。
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)は、代謝を上げるホルモンが過剰に分泌される病気で、動悸のほかに体重減少や手の震え、発汗などが見られます。更年期障害ではエストロゲンの減少が自律神経に影響し、頻繁な動悸や不安感を引き起こすことがあります。
以上のように、動悸は一見単純な症状に見えても、実に多様な原因が潜んでいます。自己判断で済ませず、気になる症状が続く場合は専門の医療機関に相談することが大切です。健康な毎日を送るためにも、早期の対応と日頃のセルフケアが重要です。
三菱京都病院顧問 循環器専門医 医学博士 桝田 出
【経歴】
1980年 東京慈恵会医科大学卒業
慈恵医大第3内科、国立循環器病センター、京都大学第2内科などを経て現職。
※このコラムは、掲載日現在の内容となります。掲載時のものから情報が異なることがありますので、あらかじめご了承ください。