動悸がしたときの対処法と治療|予防・受診の目安も解説

不整脈・心房細動 予防・対策・生活改善

動悸とは、ふだん意識することのない心臓の鼓動が「ドクドク」「バクバク」と強く、速く感じられる状態です。多くの場合は一過性の現象ですが、なかには病気が原因であることもあります。本記事では、動悸が起こる原因や対処法、日常生活でできる予防策、そして受診すべきケースや治療法について詳しく解説します。

vol. 動悸がしたときの対処法と治療|予防・受診の目安も解説

動悸とは

動悸とは、心臓の拍動が通常よりも「強く」または「速く」感じられる状態を指します。自分の心拍が意識される状況で、「心臓が飛び出しそう」「ドキドキが止まらない」と感じる方も少なくありません。
一時的な動悸の原因としては、ストレス・緊張・過労・睡眠不足・カフェインやアルコールの摂取などが挙げられます。これらによる動悸は身体の一時的な反応であり、時間とともに自然と落ち着くことがほとんどです。
一方、心疾患やホルモン異常、自律神経失調症、不整脈などに伴う動悸は、根本的な治療が必要になることがあります。特に胸痛や息切れ、失神を伴うような動悸は、病的なサインの可能性があるため注意が必要です。

動悸が起きた時の対処方法

深呼吸・リラックス法|自律神経を整えて心拍を落ち着かせる方法

動悸が突然始まったとき、まずは深呼吸で自律神経のバランスを整えることが有効です。特におすすめなのが腹式呼吸。以下の手順で行いましょう。

  • 椅子に座るか仰向けになり、目を閉じる
  • 鼻からゆっくり息を吸い、お腹が膨らむのを感じる
  • 口からゆっくり息を吐く(吐く時間を吸う時間より長く)

これを数回繰り返すことで副交感神経が優位になり、心拍数が落ち着いてきます。 また、瞑想やマインドフルネスも動悸時に有効です。意識を今この瞬間に集中させることで、不安や緊張を和らげ、自律神経のバランスを整えます。

水分補給・姿勢の調整|血流を安定させるためにできること

動悸の原因が脱水である場合、水分とともに電解質(ナトリウム、カリウム)を補給することで症状が改善されます。特に夏場や運動後は意識的に水分を摂取するようにしましょう。また、立ちくらみを伴うような動悸のときは、すぐに座るか横になることが大切です。横になる際は脚を少し高くすることで、脳への血流を促進し、動悸やめまいが和らぎます。

カフェイン・アルコールを避ける|刺激物が引き起こす動悸のコントロール

コーヒーやエナジードリンク、アルコール類は交感神経を刺激し、心拍数を一時的に上げる働きがあります。こうした刺激物を避けることで、動悸の発生を防ぐことが可能です。とくに夜間の摂取は睡眠の質も低下させ、動悸のリスクが高まるため注意が必要です。

動悸を予防するための習慣

自律神経を整える生活習慣|規則正しい睡眠とストレス管理が重要

自律神経のバランスを整えるには、まず規則正しい睡眠が基本です。毎日同じ時間に寝起きすることに加えて、就寝前のスマートフォンやパソコンの使用は避けましょう。ブルーライトは交感神経を刺激し、入眠を妨げます。また、ストレスを溜めないためにウォーキング・アロマ・趣味の時間を確保することも重要です。適度な運動やリラックスタイムが副交感神経を優位に導き、動悸の予防につながります。

食事と運動のバランスを整える|貧血・血糖値の急上昇を防ぐポイント

貧血による酸素不足は動悸の一因です。鉄分やビタミンB12、葉酸を含む食品(レバー、赤身肉、ほうれん草、大豆製品など)を意識的に摂りましょう。また、血糖値の急激な上昇も動悸の原因になります。白米や菓子パンなどGI値の高い食品の摂取を控え、低GIの食品(玄米、全粒粉パン、豆類など)を選ぶとよいでしょう。運動においては、有酸素運動(ウォーキングやヨガ)を日常に取り入れることで自律神経の安定が期待できます。週2~3回、20分以上の運動が理想です。

受診が必要なケース

以下のような症状を伴う動悸は、すみやかに医療機関を受診すべきです。

  • 冷や汗や胸の痛みを伴う動悸
  • 意識が遠のく、または失神を起こした
  • 急に強い動悸が始まり、止まらない
これらの症状は、心筋梗塞や重篤な不整脈の兆候である可能性があります。早期の治療が生命を左右することもあるため、放置せず速やかに受診しましょう。

どの診療科を受診すべきか|循環器科・内科・精神科の選び方

心臓に原因がありそうな場合(胸の圧迫感、持続的な動悸など)は、循環器(心臓)内科や不整脈科の受診が適切です。貧血やホルモン異常が疑われる場合は、一般内科や内分泌・甲状腺内科へ。ストレスや不安が主な引き金と考えられる動悸であれば、心療内科や精神科の相談も検討しましょう。

動悸の対策と治療方法

薬物療法|βブロッカーや抗不整脈薬の使用が必要なケース

重度の動悸や不整脈に対しては、薬物治療が検討されることがあります。

  • βブロッカー:交感神経の働きを抑えて心拍数を低下させる効果があります。不整脈や高血圧を伴う動悸に処方されることが多いです
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  • 抗不整脈薬:心房細動や期外収縮などの不整脈の種類に応じて使用され、心拍のリズムを正常に戻します。副作用の確認が重要で、医師の指導のもとでの服用が必須です

生活習慣の改善でできる治療法|自律神経を整える習慣を継続する

過度なストレスが原因で動悸が起こる場合、生活習慣の見直しが有効です。質の高い睡眠、バランスのとれた食事、ストレス対策などを継続することで症状は大きく改善します。また、医師と協力して原因を明確にし、ライフスタイルに合わせた予防法を習慣化することが、再発の予防にもつながります。

心疾患の場合の治療法|カテーテルアブレーションやペースメーカーの適応

心臓そのものに原因がある場合は、手術的治療が必要になることもあります。
カテーテルアブレーション:不整脈を引き起こす異常な電気信号を焼き切る治療法で、心房細動などに有効。カテーテルという管を使って治療するので、胸を切開することはありません。
ペースメーカー:脈が極端に遅くなる徐脈性不整脈の患者に対し、一定のリズムで心臓を動かす装置を体内に埋め込みます。
いずれの治療も専門医の判断のもとで行われ、術後の生活には一定の注意が必要ですが、動悸の大幅な改善が期待できる治療法です。

動悸は一時的なものであればそれほど心配はいりませんが、症状が頻繁に起こる、あるいは他の重篤な症状を伴う場合は、速やかに医療機関を受診することが大切です。日々の生活の中で自律神経を整える習慣を身につけることが、動悸の予防と改善に役立ちます。

記事監修

三菱京都病院顧問 循環器専門医 医学博士 桝田 出
【経歴】
1980年 東京慈恵会医科大学卒業
慈恵医大第3内科、国立循環器病センター、京都大学第2内科などを経て現職。


  

動悸・息切れ・めまい・胸苦しさなどの症状や、心電計や血圧計で気になる結果が出た際、早めに専門の医師に相談されることが重要です。
以下の画像リンクから、心臓の症状について相談できる医療機関を検索することができますので、ぜひご活用ください。

  
    

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