狭心症と心筋梗塞は、どう違うのでしょうか? 心筋梗塞の発作が起きてしまったら、どうすればよいのですか?

不整脈・心房細動 病名・疾患解説
狭心症と心筋梗塞は、どう違うのでしょうか? 心筋梗塞の発作が起きてしまったら、どうすればよいのですか?
狭心症と心筋梗塞は、原因と症状に共通点がありますが、心筋梗塞は死にいたる可能性がある点でことなっています。狭心症と心筋梗塞の違いを、症状、原因、発作時の対処の3点でみてみましょう。
狭心症と心筋梗塞の症状は、どちらも締めつけられるような胸の痛みが特徴的です。ただし、狭心症の痛みが10分程度でおさまる一時的なものであるのに対して、心筋梗塞の痛みは30分以上も続きます。
次に原因ですが、狭心症も心筋梗塞も多くの場合、心臓の表面を走っている動脈(冠動脈)の血流が悪くなった結果起きます。狭心症は、動脈硬化などが原因で「血管が狭くなる」ものですが、血流が完全にストップしたわけではないので、多くの場合、しばらくすれば発作はおさまります。一方、心筋梗塞は、動脈硬化が進行して「血のかたまり(血栓)が血管に詰まる」もので、血流が完全にストップするため、血液からの酸素供給がなくなって心臓の組織が壊死し、最悪の場合死に至ります。
狭心症と心筋梗塞の発作は、運動や急激な気温の変化、ストレスなどで血流が急激に増した場合に起きやすくなります。胸の痛みを感じたら、イスに座って安静にし、痛みがおさまったら病院へ行きましょう。痛みが10分以上続く場合は心筋梗塞の恐れがあるので、すぐに救急車を呼ぶなどの措置を講じましょう。病院へ着くまでは、楽な体制で絶対安静にしましょう。
狭心症は心筋梗塞の前触れとして起こることもあるので、心筋梗塞を未然に防ぐためにも発作が起こったら、必ず病院で受診しましょう。

先生のプロフィール

島本 和明先生

島本 和明 先生

日本医療大学総長
略歴
昭和46年 札幌医科大学卒業
昭和47年 札幌医科大学第二内科入局
昭和48年 東京大学医学部第三内科研究生
昭和53年 米国サウスカロライナ医科大学 留学
昭和55年 札幌医科大学第二内科講師
昭和59年 札幌医科大学第二内科助教授
平成8年 札幌医科大学第二内科教授
平成16年 札幌医科大学附属病院長
平成22年 札幌医科大学理事長・学長
平成28年 日本医療大学総長
ご専門
内科学全般、循環器、高血圧、腎臓、内分泌、糖尿病

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