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心房細動とは、心臓の上部にある「心房」が、正常なリズムで収縮できずに細かく震える(痙攣する)ような状態の不整脈です。これは洞結節(洞調律)から規則正しく発せられる電気信号ではなく、心房各所で無秩序に発信された異常な信号によって引き起こされます。日本循環器学会によると、「心房はあちこちが無秩序にまったくばらばらに収縮し、心室にも不規則な電気信号が伝わる」状態とされています。この不整脈には一時的に起こる(多くは48時間以内)「発作性心房細動」と、1週間以上続く「持続性心房細動」、さらに長期間続く「慢性心房細動 」があります。発作性で始まり、繰り返すうちに持続性・慢性へ移行するケースが多いのです。
主な症状は以下の通りで、患者によって感じ方は異なります:
・動悸(脈拍の不整・増加による心臓のドキドキ感)
・息切れ・息苦しさ
一部では自覚がないこともあり、検診や健康診断で偶然発見される例も多いです。家庭で検脈や家庭向けの心電計による心房細動リスクのチェックをすることで早期発見できることもあります。
心電図では、正常時に現れる「P波」が消失し、代わりにf波(細かい震えのような波)が基線上に現れるのが特徴です。また、心室が反応しているRR間隔(心拍間隔)は非常に不規則で、ばらばらなリズムとなっています。
診断基準としては、P波の消失・f波の存在・RR間隔の不規則性が揃えば、かなり確度の高い心房細動の診断が可能です。心電図を視覚的に示し、「P波がない」「基線が震える」「心拍のリズムが乱れている」の三拍子を押さえると分かりやすくなります。
心房細動により心房がしっかり収縮できないと、血流が心房内で停滞し、血栓(血の塊)が形成されやすくなります。特に左心房内でできた血栓が剥がれて脳に流れると、心原性脳梗塞を起こすリスクが高まります。実際、心房細動患者の中には、症状が出にくい無症候性心房細動も多く、それでも脳梗塞リスクはあります。
世界的には、心房細動患者の脳梗塞リスクは一般人の2~7倍、また20人に1人が一年以内に発症するという報告もあります。
心房細動により心房の収縮力が低下すると、全体として心臓の拍出量(送り出す血液量)が減少します。その結果、疲労感、息切れ、むくみ(浮腫)といった心不全の症状が悪化することがあります。これも心房細動が見逃せない理由の一つです。 心房細動が見つかった場合には、息切れやむくみなど心不全の自覚症状がないかをチェックすることも重要です。もし何か気になることがあれば、早めに医師に相談してください。
動悸を感じたら、まずは落ち着いて椅子に座り、安静にすることが大切です。 そこから深呼吸をゆっくり行い、自律神経を整えましょう。 ほかにも冷水でうがいや顔を冷やすことで迷走神経が刺激され、心拍が安定することがあります。 こうした方法は個人差もありますが、自然とリズムが整いやすくなります。
動悸などの症状が5分以上続く場合は、速やかに医療機関へ相談しましょう。特に、強い動悸・息切れ・胸痛などがあれば早めの受診・救急も検討すべきです。
日常生活に支障が出るほど動悸や息切れが頻繁に起こる場合、それは体がSOSを出しているサインです。ストレスや運動不足だと思い込まず、専門医への受診を検討してください。
高齢者や高血圧、糖尿病などの基礎疾患がある人は、自覚症状がなくても定期的な心電図検査が重要です。心房細動は無症状でも重篤な合併症を引き起こすリスクを抱えているため、予防的なアプローチがカギになります。
心房細動は高血圧患者に多く、特に60歳以上の方には定期的な家庭用の心電計や検脈などによる心房細動リスクのチェックが推奨されます。心房細動が原因で脳梗塞を引き起こすだけでなく、心不全のリスクも高まるため、早期発見と予防が重要です。
心房細動の治療には、いくつかの薬剤を目的に応じて使い分ける必要があります。
薬物での治療が難しい、あるいは再発を繰り返す場合はカテーテルアブレーションが選択肢になります。肺静脈の周囲を焼灼(焼いて隔離)することで、異常信号の伝播を防ぎ、発作性・持続性どちらの場合でも根治を目指す治療として有効です。
アブレーション後の再発防止には、次の点が重要です。
心房細動は一見軽症に思える症状でも、脳梗塞や心不全の重大リスクを伴う病気です。気になるサインがあれば放置せず、定期的な心電図検査や循環器専門医の受診が重要です。
一時的な発作なら:安静・深呼吸・冷却などでまず対応
頻繁・長時間なら:記録を取り、速やかに受診
検査で確定したら:薬物治療やカテーテルアブレーションによる根治治療を検討
そして何より、通院と服薬を継続しつつ、日々の生活習慣を整えていくことが、再発防止と健康維持のカギとなります。早めに適切な治療に取り組むことで、安心で質の高い日常を取り戻すことが可能です。
三菱京都病院顧問 循環器専門医 医学博士 桝田 出
【経歴】
1980年 東京慈恵会医科大学卒業
慈恵医大第3内科、国立循環器病センター、京都大学第2内科などを経て現職。
動悸・息切れ・めまい・胸苦しさなどの症状や、心電計や血圧計で気になる結果が出た際、早めに専門の医師に相談されることが重要です。
以下の画像リンクから、心臓の症状について相談できる医療機関を検索することができますので、ぜひご活用ください。
※このコラムは、掲載日現在の内容となります。掲載時のものから情報が異なることがありますので、あらかじめご了承ください。