心房細動とは|症状・原因・検査方法・考えられる合併症を徹底解説

不整脈・心房細動 病名・疾患解説

心房細動とは、心臓の上部にある心房がけいれんするように不規則に動くことで、正常な電気信号が乱れ、心拍が不規則かつ速くなる状態を指します。不整脈の一種であり、日本では高齢者を中心に患者数が増加傾向にあります。

vol. 心房細動とは|症状・原因・検査方法・考えられる合併症を徹底解説

心房細動とは|定義と症状

心房細動の定義

心房の電気信号が乱れることで、心房が規則的に収縮せず、血流がスムーズに流れなくなります。その結果、心房内に血液が滞る状態が生じやすくなり、血栓(血のかたまり)ができやすくなります。これが脳梗塞などの重篤な合併症につながる可能性があるため、早期発見と適切な治療が重要です。

心房細動による主な症状|動悸、息切れ、疲労感など

心房細動は突然発症することもあり、以下のような症状が現れることがあります。

  • 動悸:胸がドキドキと速く不規則に打つ感覚。心房細動の典型的な症状です。
  • 息切れ:軽い運動や階段の昇降でも息苦しさを感じることがあります。
  • 倦怠感・疲労感:心臓のポンプ機能がうまく働かず、全身に十分な血液が送れないため、疲れやすくなります。
  • めまい・ふらつき:脳への血流が一時的に不足することで、めまいやふらつきが生じることもあります。
なお、心房細動は無症状で気づかないまま進行する場合もあります。そのため、定期的な健康診断や自己チェックが重要です。

心房細動の原因

心疾患や高血圧が引き起こすもの

心房細動の背景には、さまざまな心疾患が関与しているケースが多く見られます。 心筋梗塞や弁膜症、心不全などの病気は、心臓の構造や機能に変化を及ぼし、心房に異常な電気活動を引き起こす原因となります。 特に高血圧は、心房に持続的な負荷をかけることで、心房細動の発症リスクを高めます。血圧が高い状態が続くと、心房の壁が厚くなったり硬くなったりし、電気信号の伝導に異常が生じやすくなります。 心房細動は高血圧患者に多く見られ、特に60歳以上の方には定期的な家庭用の心電計や検脈などによる心房細動リスクのチェックが推奨されます。心房細動は脳梗塞だけでなく、心不全の原因にもなりうるため、早期発見と予防が重要です。 心疾患や高血圧を抱えている方は、心房細動を併発する可能性があるため、日頃からの血圧管理や心臓病のコントロールが重要です。

生活習慣・加齢・ストレスなどによるもの

心房細動は、日々の生活習慣や年齢の影響を受けやすい不整脈です。 飲酒や喫煙は、心臓の刺激伝導系に悪影響を及ぼすとされており、特に過度の飲酒(「ホリデーハート症候群」と呼ばれることもあります)は発作的な心房細動を引き起こすことがあります。 肥満もリスク因子の一つです。肥満は高血圧や糖尿病を引き起こす要因でもあり、間接的に心房細動のリスクを高めます。 ストレスや睡眠不足も、交感神経の活性化により心臓に負荷をかけるため、注意が必要です。 加齢に伴って心房の筋肉(心房筋)が変性しやすくなることもあり、特に60歳以上で は心房細動の発症率が大きく上昇します。

心房細動の種類と特徴

発作性・持続性・長期持続性の心房細動の違い

心房細動にはいくつかのタイプがあり、その持続時間や治療の必要性に応じて分類されます。

  • 発作性心房細動:突然発症し、自然に元の正常なリズム(洞調律)に戻るタイプ。多くは48時間以内に収まるのが特徴です。初期段階ではこのタイプが多く、症状の有無もさまざまです。
  • 持続性心房細動:自然には止まらず、薬物療法や電気的除細動などの治療が必要な状態。1週間以上続く場合があり、治療をしないと継続する傾向があります。
  • 長期持続性心房細動:1年以上にわたり心房細動が継続している状態で、慢性的な治療管理が求められます。症状が軽減していても、血栓形成や心不全のリスクは存在するため注意が必要です。
特に、家庭での心電図記録で見つかる心房細動は、初期の発作性心房細動に該当することが多く自覚症状がなく、健康診断などでは見つかりにくい場合があります。

心房細動の検査方法

病院を受診すべき動悸の症状|息切れ・胸痛・失神を伴う場合は要注意

医療機関で行う検査|心電図・ホルター心電図・心エコーなど

  • 心電図:心拍のリズムや異常を確認する最も基本的な検査。発作が起きている最中に記録できれば診断が確定します。
  • ホルター心電図:小型の装置を24時間装着し、日常生活中の心拍を記録します。発作性心房細動の診断に有効です。
  • 心エコー(心臓超音波検査):心臓の構造や動き、血栓の有無などを調べる検査。心房の拡大や弁膜症の有無を確認するためにも重要です。
必要に応じて、運動負荷試験や心臓CT、MRIなどの精密検査が追加されることもあります。

自宅でできるセルフチェック方法|脈拍の不規則さに注目

早期発見のためには、自宅でのセルフチェックも有効です。
手首や首の脈を測定:通常は規則正しいリズムで拍動しますが、不規則な場合や速い脈が続く場合は心房細動が疑われます。
携帯型心電計やスマートウォッチ、アプリの活用:近年では心拍数やリズムを自身でモニタリングできるスマートデバイスが増え、発作を見逃しにくくなっています。自宅で心電図を記録できるものもあります。定期的なチェックに役立てましょう。
60歳を境に心房細動有病率は高くなりますが、約半数の方に自覚症状がなく、初期段階では突然発症し自然に元の正常なリズム(洞調律)に戻る発作性心房細動であることも多いため、継続して家庭用の心電計や検脈などによる心房細動リスクのチェックをすることが重要です。
自覚症状がない場合でも、これらの方法で異常が見つかれば医師の診察を受けることをおすすめします。

心房細動に関連する疾患と合併症

脳梗塞のリスクとその仕組み|血栓が原因で起こることがある

心房細動における最も深刻な合併症の一つが脳梗塞です。 心房がけいれんし、正常な収縮が行われないと、心房内で血液が滞ります。この滞った血液が血栓を形成し、それが血流に乗って脳の血管に詰まることで脳梗塞を引き起こすのです。心房細動による脳梗塞は重症化しやすく、後遺症が残る可能性も高いとされています。そのため、抗凝固療法(血 を固まりにくくする薬)による予防が非常に重要です。

心不全を併発するリスク|心臓のポンプ機能が弱まる

心房細動が続くと、心臓全体にかかる負担が増加し、心不全を併発するリスクが高まります。心拍数が異常に高くなることで、心臓は効率よく血液を送り出すことができず、次第にポンプ機能が低下します。長期的に心房細動が続くと、心臓の筋肉が疲弊し、血液を全身に送り出す能力が弱まることで、息切れやむくみなどの症状が現れます。心房細動と心不全はお互いに悪影響を及ぼす「悪循環」を生むため、両者を同時にコントロールすることが大切です。心房細動が見つかった場合には、息切れやむくみなど心不全の自覚症状がないかをチェックすることも重要です。もし何か気になることがあれば、早めに医師に相談してください。

まとめ

心房細動は放置すると重大な合併症を引き起こす可能性がある不整脈です。症状の有無に関わらず、定期的な検査と日々の自己チェックが早期発見・予防につながります。心臓に不安を感じる方や高血圧・生活 習慣病をお持ちの方は、ぜひ医師に相談し、適切な管理を心がけましょう。健康な生活を送るためにも、心房細動に関する正しい知識を持つことが第一歩です。

記事監修

三菱京都病院顧問 循環器専門医 医学博士 桝田 出
【経歴】
1980年 東京慈恵会医科大学卒業
慈恵医大第3内科、国立循環器病センター、京都大学第2内科などを経て現職。


  

動悸・息切れ・めまい・胸苦しさなどの症状や、心電計や血圧計で気になる結果が出た際、早めに専門の医師に相談されることが重要です。
以下の画像リンクから、心臓の症状について相談できる医療機関を検索することができますので、ぜひご活用ください。

  
    

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