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頻脈が突然起きたときには、まず落ち着くことが大切です。深呼吸をゆっくりと行い、自律神経のバランスを整えることで、心拍数が自然と下がる場合があります。冷たい水を少しずつ飲んだり、顔を冷水で冷やしたりする方法も、迷走神経(副交感神経)を刺激し、心拍を落ち着ける効果があります。
身体を動かし続けると、頻脈が悪化する恐れもあります。そのため、発作が起きたら無理をせず、座ったり横になったりして安静を保ちましょう。可能であれば、心拍数を計測し、変化の様子を記録しておくことも有効です。
自律神経の乱れは頻脈の引き金になります。睡眠不足、不規則な食事、過剰なストレスは、心臓のリズムを乱す原因となるため、規則正しい生活を心がけましょう。 十分な睡眠を確保し、朝食をしっかりと摂ること、適度な運動を日々の生活に取り入れることで、自律神経のバランスが整いやすくなり、頻脈の予防に繋がります。
コーヒーやエナジードリンクに含まれるカフェイン、そしてアルコールは、心拍数を上昇させることがあります。頻脈の症状が気になる人は、これらの摂取を控えめにし、なるべく自然な状態で心臓のリズムを保つようにしましょう。
頻脈とともに胸の圧迫感や強い息切れを感じる場合、心筋梗塞や狭心症など、重篤な心疾患の可能性があります。こうした症状が現れたときは、我慢せずにすぐ医療機関を受診してください。 救急受診の判断に迷った場合でも、「少しでもおかしい」と感じたら、早めの行動が大切です。心臓は命に直結する器官であり、素早い対応が生死を分けることもあります。
頻脈が週に何度も起こる、もしくは一度発症すると長時間収まらないというケースも、医療機関での相談が必要です。こうした状態が続くと、心臓に負担がかかり、心不全など他の病気を招くリスクが高まります。
手首や首などで自分の脈拍を確認し、1分間の心拍数を測ります。安静時に100回/分以上ある場合は、頻脈の可能性があります。
頻脈の原因の多くは、生活習慣と深く関係しています。日常的なストレスを抱え込まず、リラクゼーション法を取り入れることが効果的です。例えば、散歩やヨガ、アロマテラピーなどは心を落ち着かせるのに役立ちます。 また、カフェインやアルコールの制限、栄養バランスの取れた食事を心がけることで、体の内側から心臓への負担を軽減することができます。
生活改善でも頻脈が改善しない場合や、重度の症状がある場合は、医師による治療が必要です。薬物療法としては、βブロッカーや抗不整脈薬などが処方されることがあります。 また、原因となる異常な電気信号の発生源を焼き切る「カテーテルアブレーション」という治療法も、発作性頻脈に対しては高い有効性が確認されています。患者の状態や年齢、発作の頻度に応じて、適切な治療法が選ばれます。
頻脈は、誰にでも起こりうる症状ですが、正しい知識と冷静な対処があれば、大きな不安を抱える必要はありません。日常生活の見直しと予防意識を持ち、体からのサインを見逃さずに行動することが大切です。 万が一、頻脈に関連する不調を感じた場合は、無理をせずに専門医の診断を受けましょう。心臓の健康を守ることは、あなたの人生を守ることにもつながります。
三菱京都病院顧問 循環器専門医 医学博士 桝田 出
【経歴】
1980年 東京慈恵会医科大学卒業
慈恵医大第3内科、国立循環器病センター、京都大学第2内科などを経て現職。
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