心拍数が高い・低いときの対処と予防法|受診の目安・治療法まで解説

不整脈・心房細動 予防・対策・生活改善

心拍数とは|正常な拍動と異常のサイン

心拍数とは

心拍数とは、心臓が1分間に拍動する回数を示す指標です。健康な成人の安静時心拍数は、おおよそ1分間に60〜100回とされており、この範囲内であれば一般的に正常とみなされます。日常生活の中ではあまり意識しない心拍数ですが、実は私たちの健康状態を知る上で非常に重要なバロメーターの一つです。
心拍数は、身体の酸素需要や代謝の変化に応じて自然に変動します。たとえば運動中には身体全体に多くの酸素を送るために心拍数が増加し、逆に睡眠時にはリラックスした状態になるため、心拍数が低下します。
呼吸と心拍は密接に関係しており、呼吸が浅く早くなると心拍数も上がりやすくなります。また、心拍数は血液の循環とも深く関わっており、血流量が変動することで心臓の拍動数も調整されます。これらの生理的な変化の中で、明らかに異常と感じる心拍の乱れがある場合は、注意が必要です。

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心拍数の異常を感じたときの初期対応方法

心拍数が高いときの応急対応

心拍数が急に上昇したときは、まず慌てずに落ち着くことが大切です。安全な場所で座り、静かに深呼吸を数回繰り返しましょう。呼吸を整えることで副交感神経が働き、過剰な心拍を抑える効果が期待できます。また、緊張や強いストレスが原因で心拍数が上がるケースも多いため、静かな場所で目を閉じたり、好きな音楽を聴くなどリラクゼーションを取り入れるのも有効です。
心拍数を測定し、その数値を記録しておくことも重要です。スマートウォッチや脈拍計を使用して数値を把握し、症状の持続時間や発生時の状況をメモしておくと、受診時に医師が的確な判断をしやすくなります。

心拍数が低いときの簡易対処法

反対に、心拍数が異常に低いと感じる場合には、まずはめまい、息切れ、冷や汗、意識が遠のくような感覚など危険な症状がないか確認しましょう。 これらの症状がある場合は、単なる低下ではなく「徐脈(じょみゃく)」と呼ばれる病的な状態の可能性があります。このような症状が出たら、早めに医療機関への相談を検討すべきです。
これらの症状がない場合には、簡単なストレッチや軽いウォーキングを行うことで心拍数を自然に引き上げる効果があります。 もし日常的に心拍数が50回未満で、疲れやすさや集中力の低下などを感じることが続く場合は、循環器内科などで詳しく検査を受けることが推奨されます。

心拍数を安定させるためにできること

運動・食事・生活習慣で心拍を整える

日常的に心拍数を安定させるためには、適度な運動、バランスの良い食事、そして規則正しい生活習慣が欠かせません。とくに有酸素運動は、心肺機能を高め、自律神経のバランスを整える効果があるため、ウォーキングやスイミング、軽いジョギングなどを無理のない範囲で継続することが理想的です。
食事面では、塩分や脂質を控え、野菜・果物・魚介類などを取り入れたバランスの良い食生活が大切です。高塩分・高脂質の食事は動脈硬化を進行させ、心臓に負担をかける可能性があります。また、喫煙や過度の飲酒は心拍数の不安定さを招く要因です。禁煙を意識し、アルコール摂取も適量を守るよう心がけましょう。カフェインの摂取も控えめにすることが望ましく、特にカフェイン感受性の高い人は、コーヒーやエナジードリンクの飲み過ぎに注意が必要です。
睡眠中はリラックス状態になるため、副交感神経が優位に働き、心拍数は50回/分前後まで下がることもあります。深い眠りの質を示す一つの指標にもなっています。定期的な運動習慣がある人やアスリートは、安静時の心拍数が50回前後というケースもあり、これは心肺機能が高い証拠ともいえます。

ストレス対策と十分な睡眠で自律神経を安定させる

自律神経の乱れは、心拍数の急な変化を引き起こす原因の一つです。そのため、日頃からストレスを溜めないような生活を意識することが重要です。まず、毎日の睡眠時間をしっかり確保し、できるだけ決まった時間に就寝・起床するよう生活リズムを整えましょう。質の良い睡眠は、自律神経の安定に直接関わっています。
ストレス解消法としては、深呼吸や瞑想、趣味の時間を確保することなどが効果的です。自然の中で過ごす、ペットと触れ合う、アロマテラピーなど、個々に合ったリラクゼーションを取り入れると良いでしょう。

どんなときに病院へ行くべきか?

安静時でも心拍が100回以上の状態が続く場合

特に運動や緊張といった原因がないにもかかわらず、安静にしていても心拍数が100回以上の状態が続く場合は「頻脈(ひんみゃく)」の可能性があります。頻脈が続くと、心臓に過度な負担がかかり、心不全や心筋症などのリスクを高めることがあります。自覚症状がない場合でも、放置せず医療機関で心電図検査などを受け、原因の特定と必要な治療を行うことが重要です。

50回未満で息切れ・めまい・失神がある場合

安静時の心拍数が50回未満で、息苦しさ、めまい、失神などの症状を伴う場合、血流が十分に全身に回っていない可能性があります。これは「徐脈」による血流障害が原因であり、脳や心臓への酸素供給が不十分になることで深刻な症状が出ることもあります。最悪の場合、失神や心停止につながるリスクもあるため、こうした症状がある場合は速やかに受診してください。

心拍数の異常が続くときの医療対応

医療機関での検査と診断方法

心拍数の異常が続く場合、まず医療機関では心電図によって心臓のリズムを確認します。必要に応じて24時間装着するホルター心電図や血液検査を行い、電解質異常や甲状腺機能の異常なども含めて原因を探ります。一時的なストレスや生活習慣が原因であれば、経過観察となることもありますが、器質的な心疾患が見つかれば本格的な治療が必要になります。

薬物療法やペースメーカー治療の可能性

頻脈に対しては、心拍数を抑える目的でβ遮断薬や抗不整脈薬が使用されることがあります。発作的に心拍数が急上昇するタイプの不整脈に対しては、薬によるコントロールが重要です。一方で、重度の徐脈に対しては、心臓の拍動を補うペースメーカーの植え込み手術が検討される場合があります。どちらのケースでも、薬物治療と並行して生活習慣の見直しが求められます。心拍数の安定には、継続的な健康管理と医師との連携が欠かせません。健康な心拍は、心と体のバランスを保つ基盤です。異常に気づいたら自己判断せず、早めに専門機関での相談を行いましょう。心拍数を整えることは、生活の質を高め、将来的な疾患リスクの軽減にもつながります。

記事監修

三菱京都病院顧問 循環器専門医 医学博士 桝田 出
【経歴】
1980年 東京慈恵会医科大学卒業
慈恵医大第3内科、国立循環器病センター、京都大学第2内科などを経て現職。


  

動悸・息切れ・めまい・胸苦しさなどの症状や、心電計や血圧計で気になる結果が出た際、早めに専門の医師に相談されることが重要です。
以下の画像リンクから、心臓の症状について相談できる医療機関を検索することができますので、ぜひご活用ください。

  
    

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