健康診断で血圧が高め(収縮期血圧が140mmHg)といわれました。病院を受診する必要がありますか
高血圧
自覚症状・予兆
- 健康診断で血圧が高め(収縮期血圧が140mmHg)といわれました。病院を受診する必要がありますか
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はい。受診して、血圧が高くなった原因を調べ、適切な治療を受けましょう。健康診断での生活習慣病の早期発見は極めて重要です。ただし、健康診断の結果が治療の必要な高血圧かどうかを見極める必要があります。たとえば、「いつもと違う病院の雰囲気に緊張して、血圧が上がってしまった」など、治療の必要のない一過性の高血圧の可能性もあるからです。反対に、薬を使ってすぐに治療を開始しなくてはならない場合もあります。これらの理由から、健康診断で高血圧が疑われる数値が出た場合には、病院を受診することをお勧めします。
収縮期血圧が140mmHgというのは、日本の高血圧治療ガイドラインからみて「軽症高血圧」に分類されます。病院で再度血圧を測定し、それでも血圧が高い場合には生活習慣の改善を行います。具体的には食塩の制限や体重を落とすことなどです。喫煙や飲酒も血圧を上げる原因になるので、見直す必要があるでしょう。
高血圧治療の目的は、高血圧が原因で起こる心筋梗塞や脳卒中などを予防することにあります。これらの疾患の原因となるものには、高血圧の他に糖尿病や高脂血症などの生活習慣病があげられます。そしてこれらの生活習慣病が高血圧と合併すれば、心筋梗塞や脳卒中の発症リスクは相乗的に高くなってしまいます。このように合併症をもっている人は、たとえ収縮期血圧が140mmHgだとしても、生活習慣の改善に加えて薬による治療が必要になることもあります。
いずれにしても個人で判断せずに、医師に相談して原因を調べ、適切な治療を受けることが大切です。
先生のプロフィール

島本 和明 先生
日本医療大学総長
- 略歴
- 昭和46年 札幌医科大学卒業
昭和47年 札幌医科大学第二内科入局
昭和48年 東京大学医学部第三内科研究生
昭和53年 米国サウスカロライナ医科大学 留学
昭和55年 札幌医科大学第二内科講師
昭和59年 札幌医科大学第二内科助教授
平成8年 札幌医科大学第二内科教授
平成16年 札幌医科大学附属病院長
平成22年 札幌医科大学理事長・学長
平成28年 日本医療大学総長 - ご専門
- 内科学全般、循環器、高血圧、腎臓、内分泌、糖尿病