高血圧症なのですが、妊娠を希望しています。どのくらいの血圧なら、母子ともに健康な出産ができるでしょうか?
高血圧
病名・疾患解説
- 高血圧症なのですが、妊娠を希望しています。どのくらいの血圧なら、母子ともに健康な出産ができるでしょうか?
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血圧が140/90mmHg以下で、良好な妊娠経過と出産が可能とも言われていますが、高血圧専門医と産科医によく相談し、妊娠計画を立てることが重要です。血圧値だけでなく、降圧剤を2剤以上服用している、臓器障害を伴っている、高齢出産(35歳以上)、肥満や糖尿病を合併している、などのいずれかが当てはまる場合は注意が必要です。妊娠時や授乳時には服用を避けた方がいい降圧剤も多くあり、現在、降圧剤を服用している人は薬が変更になることもありますので、医師の指示に従って治療を進めるようにしましょう。
なお、妊娠に関係する高血圧症として、妊娠20週以降にはじめて高血圧(収縮期血圧140mmHg以上もしくは拡張期血圧90mmHg以上)が発症し、分娩後12週までに正常に回復するものもありますが、これは「妊娠高血圧症候群」と定義され、上記のようにもともと高血圧症の方が妊娠するケースとは区別されます。
いずれにせよ、妊娠中の高血圧は特殊な条件下での高血圧ですので、医師とよく相談し、妊娠計画を立てるようにしましょう。
先生のプロフィール

島本 和明 先生
日本医療大学総長
- 略歴
- 昭和46年 札幌医科大学卒業
昭和47年 札幌医科大学第二内科入局
昭和48年 東京大学医学部第三内科研究生
昭和53年 米国サウスカロライナ医科大学 留学
昭和55年 札幌医科大学第二内科講師
昭和59年 札幌医科大学第二内科助教授
平成8年 札幌医科大学第二内科教授
平成16年 札幌医科大学附属病院長
平成22年 札幌医科大学理事長・学長
平成28年 日本医療大学総長 - ご専門
- 内科学全般、循環器、高血圧、腎臓、内分泌、糖尿病
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