生まれたときの体重が少ない赤ちゃんは、大人になってから生活習慣病になりやすいとの報告が、国内外でなされています。体重が少ない原因の1つとして、母親が妊娠中に十分な栄養をとらなかった可能性が考えられます。その場合、胎児の体内では低栄養に対応するためのしくみができ、生まれてから栄養をとりすぎるとそのしくみが悪影響して、将来、生活習慣病になりやすくなるのではないかと考えられています。
また、生まれたときの赤ちゃんの体重は、妊婦の体重と関連があることもわかってきました。国内の研究で、妊娠中の体重増加が少なかったり、妊婦がもともとやせていたりすると、生まれてきた赤ちゃんの体重が少ないことが報告されています。一方、妊娠糖尿病も注目されています。したがって、妊娠中は適切な食生活を心がけ、炭水化物やたんぱく質、ビタミン、カルシウムなどさまざまな栄養素をバランスよくとりましょう。妊娠中の適切な食生活は、厚生労働省の
「妊産婦のための食生活指針」で紹介されています。この指針では、妊娠期間中の体重増加量の目安も示されており、ふつうの体格の女性では7~12kgの増加が推奨されています。妊娠中は適切な食生活を送るとともに、睡眠、休養を十分にとり、望ましい体重増加になるように心がけることも大切です。