現在、妊娠中です。生まれたときの体重が少ない赤ちゃんは、将来糖尿病や高血圧などの生活習慣病になりやすいという話を聞きましたが、妊娠中はどのようなことに気をつければよいですか?

高血圧 予防・対策・生活改善
現在、妊娠中です。生まれたときの体重が少ない赤ちゃんは、将来糖尿病や高血圧などの生活習慣病になりやすいという話を聞きましたが、妊娠中はどのようなことに気をつければよいですか?
食生活ではさまざまな栄養素をバランスよくとり、望ましい体重増加になるように心がけましょう。
生まれたときの体重が少ない赤ちゃんは、大人になってから生活習慣病になりやすいとの報告が、国内外でなされています。体重が少ない原因の1つとして、母親が妊娠中に十分な栄養をとらなかった可能性が考えられます。その場合、胎児の体内では低栄養に対応するためのしくみができ、生まれてから栄養をとりすぎるとそのしくみが悪影響して、将来、生活習慣病になりやすくなるのではないかと考えられています。

また、生まれたときの赤ちゃんの体重は、妊婦の体重と関連があることもわかってきました。国内の研究で、妊娠中の体重増加が少なかったり、妊婦がもともとやせていたりすると、生まれてきた赤ちゃんの体重が少ないことが報告されています。一方、妊娠糖尿病も注目されています。したがって、妊娠中は適切な食生活を心がけ、炭水化物やたんぱく質、ビタミン、カルシウムなどさまざまな栄養素をバランスよくとりましょう。妊娠中の適切な食生活は、厚生労働省の「妊産婦のための食生活指針」で紹介されています。この指針では、妊娠期間中の体重増加量の目安も示されており、ふつうの体格の女性では7~12kgの増加が推奨されています。妊娠中は適切な食生活を送るとともに、睡眠、休養を十分にとり、望ましい体重増加になるように心がけることも大切です。

先生のプロフィール

山田 信博先生

山田 信博 先生

筑波大学学長
略歴
昭和51年 東京大学医学部医学科卒業
昭和53年 東京大学医学部附属病院 第三内科医員
昭和58年 カルフォルニア大学サンフランシスコ校留学
昭和61年 東京大学医学部第三内科助手
平成6年 東京大学医学部第三内科講師
平成7年 東京大学医学部第三内科助教授
平成10年 東京大学大学院医学系研究科糖尿病代謝内科助教授
平成11年 筑波大学臨床医学系内科(内分泌代謝)教授
平成21年 筑波大学学長
ご専門
糖尿病、内分泌、動脈硬化

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