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2018.02.09

vol.176 冬の高血圧、モーニングサージにご注意

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Vol.176 冬の高血圧、モーニングサージにご注意

高血圧性疾患で継続的な治療を受けている患者数は、増加傾向にあり1,010万8,000人と推測されています。※1)高血圧は、日本人の死因上位にある心疾患や脳血管疾患の原因の1つとしてもあげられ、注意すべき疾患の1つです。
冬本番を迎えると風邪やインフルエンザ、ノロウイルス感染予防として、手洗いやうがいに気を配るようになりますが、ミドル世代以上は感染症だけでなく高血圧にもご注意を!冬は朝に血圧が上昇するモーニングサージにより心筋梗塞や脳卒中など脳心血管疾病を起こす可能性が高まります。モーニングサージは、テレビ番組で取り上げられたことがきっかけで注目された「血圧サージ」(あるタイミングで血圧が急変動を起こすこと)といわれるものの1つ。モーニングサージは高血圧性疾患の人だけでなく、医療機関や健康診断で測る血圧が正常な人にも起こる可能性があるため注意が必要です。

血圧が正常な人でも気をつけたいモーニングサージ

血圧サージが起きるタイミングは様々ありますが、特に冬に気をつけたいのは「モーニングサージ」です。健康な人にはゆるやかな血圧の日内変動があり、朝は高くなり夜に低くなりますが、朝目覚める前後に急激に血圧が上がるのがモーニングサージです。
日本人約2万1千人を対象にした研究※2)では、脳卒中や心筋梗塞などのリスクが日中(医療機関での測定時)に血圧が高い人は正常の人と比較して1.46倍、しかし、日中は正常にもかかわらず朝だけ血圧が高い人は2.47倍であることが分かりました。病院や健康診断で血圧が正常でも、朝だけ高いと命に関わる病気のリスクが高まるということです。
病院や健康診断では発見できないモーニングサージ。それを知るためには、朝の血圧を測ることがポイントです。モーニングサージを知るための血圧の測り方は、この後説明します。

朝の寒暖差とストレスに注意

血圧変動は、寒暖差とストレスを感じた時にも起こります。温かい場所から、急に冷たい場所へ移動すると毛細血管が縮まり血圧が上昇します。冬の朝、外に出る時は厚着をして体を冷やさないようにしましょう。薄着のままゴミ出しに行く、新聞を取りに外へ出るなど、「ほんの少しだから」と気を許さないように気をつけてください。
また、朝風呂に入る場合は、脱衣所を十分に温めておきましょう。寒い脱衣所で服を脱ぐだけでも血圧は上昇しますが、さらに熱いお湯に入ると驚愕反応といって一時的に血圧が上昇します。脱衣所はヒーターなどで温めておき、熱すぎないお風呂に入ることが予防対策の1つです。
寒い場所に出る時やお風呂に入る前は、手足を動かす、その場で足踏みをするなど軽い運動をするのもお勧めです。朝、布団の中で手足をバタバタさせて、体を温めてから布団から出るのも対策法です。

また、ストレスを感じた時も血圧は上昇します。車の運転も、人間にとってはストレスの1つです。朝起きてすぐに運転する場合は余裕をもって家を出るようにし、車内を温めてから運転するといいでしょう。

血圧を測る習慣をつけましょう

先ほどのモーニングサージを知るためにも、家庭で血圧を測る習慣をつけましょう。毎日測定するのが望ましいですが、忙しい人は週に数回でも測定することをオススメします。
測るタイミングは朝と夜の2回。朝は、起床して1時間以内、食事の前、トイレをすませた後に測ります。夜は入浴後や飲酒の直後は避けて測定します。
テーブルの前でイスに腰掛け、血圧計のベルトを心臓の高になるように巻きます。薄手のシャツ程度ならOKですが、なるべく腕に直接巻きましょう。測定中は会話をせず、背筋をまっすぐにして力を抜いてください。運動直後や足を組んだり、横になったり、寒さに震えながら測定すると正しい測定ができません。
血圧は2回測り記録しておきましょう。高血圧の基準は医療機関や健診で測る場合は、上(収縮期血圧)が140mmHg、下(拡張期血圧)が90mmHg以上ですが、家庭で測定する場合は、上が135mmHg、下85mmHg以上を基準にします。

高血圧は「サイレントキラー」といわれるほど自覚症状がなく進行します。先ほど紹介した研究では、日中の血圧が150mmHg(収縮時)以上のグループで、朝の血圧が高い人は、脳心血管疾病のリスクが3.92倍というハイリスクな結果が出ています。ミドル世代に突入したら、血圧測定を日頃の習慣にしてはいかがでしょうか?

※1 厚生労働省「患者調査」平成26年調査 5.主な傷病の総患者数

※2 Home blood pressure and cardiovascular outcomes in patients during antihypertensive therapy: primary results of HONEST, a large-scale prospective, real-world observational study. Kario K et al. Hypertension. 2014 Nov;64(5):989-96.

参考図書

  • ・「きょうの健康」2017年12月号 NHK出版
  • ・「血管を強くして突然死を防ぐ」(池谷敏郎 すばる舎)
  • ・「健康常識〇と×」(池谷敏郎 アスコム)

自身の「健康」についての考え方:ミュージシャン BEGIN 比嘉 栄昇さん


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