2018.10.10

vol.184 運動会シーズン到来、つらい筋肉痛を乗り切るには?

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Vol.184 運動会シーズン到来、つらい筋肉痛を乗り切るには?

スポーツの秋、各地で学校や町内会の運動会が開催される季節になりました。日頃は運動不足なのに、子どもの運動会ではりきって走ってしまったお父さん、保護者の球技大会でついつい本気を出してしまったお母さん、数日後に出てくる筋肉痛で辛い思いをしていませんか? 翌日、歩き方がぎこちなくなったり、階段の上り下りがきつくなったり日常生活に不便を感じることもある筋肉痛。今回はスポーツシーズンに向けて、現在分かっている筋肉痛のメカニズムを解説し、簡単にできる予防や回復法を紹介します。この秋から、何か運動を始めようと考えている方も必見です。
実は、毎日体を鍛えているアスリートも悩んでいるという筋肉痛。対策のポイントとなるのは血行促進です。

なぜ筋肉痛が起こるのか?

激しい運動をすると筋肉は壊され、筋組織はブチブチと切れて傷ついています。それはケガのように目に見えるものではなく、組織レベルでの微細損傷です。(※1)一度壊れた筋肉は回復し、より強くなります。これが筋トレで筋肉が強くなる仕組みです。
普段あまり動かさない筋肉を使ったり、強度の高い運動、長時間の運を行うと、8~24時間後に、医学用語で「遅発性筋肉痛(以下 筋肉痛)」といわれる筋肉の痛みが起きます。痛みのピークは2~3日後で、5~7日後には消失するとされています。(※2)
筋肉痛を起こした筋肉は、硬さが増し、痛みへの感受性が強くなり、可動域の減少が報告されています。(※3)
筋肉痛は、筋肉を構成する筋繊維とその周りの結合組織が壊れることで起こるとされています。その回復過程における筋損傷後の炎症が原因で、痛みを感じる物質が放出されることも分かっています。(※3)
筋肉痛は少年と成人を比較すると、成人の方が起こりやすく、また60歳以上の高齢者になると回復が遅いことが分かっています。男女間の差は見られていません。日頃運動をしていれば筋肉痛にならないのかというと、運動習慣の有無では一定の知見が得られていません。(※2)

交互浴、ストレッチ、マッサージが効果的

筋肉痛は、筋繊維が壊され炎症が起こっているため、ケガをした時と同様にアイシング(冷やすこと)が効果的です。運動直後が有効ですが、保冷剤やアイスバッグなどを持ち歩くのは難しいため、家に帰ってすぐに行いましょう。15分ほど、疲労した部位にアイスバッグなどをあてラップで包んで固定して冷やします。アイスバッグをはずして皮膚の表面が温まってきたら、今度は10分ほど蒸しタオルやカイロなどで温めます。余裕のある方は入浴がいいでしょう。入浴をします。(※4)
冷やした後温めることで、収縮した血管が拡張し血流がよくなります。血流がよくなれば傷ついた筋肉に栄養が届き早期回復につながります。
同様の理由で、水温が10℃くらいの冷たいお風呂と温かいお風呂を30秒ごとに交互に繰り返し、血管の収縮と拡張を繰り返す交互浴でも血流はよくなります。長風呂は逆効果のため、交互浴は全体で12分までがよいとされています。(※4)家庭では2つのお風呂に入るのは難しいため、疲れている部位に冷たいシャワーをあてるもいいでしょう。交互浴は水分を失いやすいため、入浴前にコップ1杯の水を飲むのを忘れないでください。
また、運動直後のストレッチやマッサージなどのクールダウンも筋肉痛緩和と早期回復に効果的です。筋肉痛を起こす部位は筋が硬くなっているため、ストレッチやマッサージでほぐし、血流を促進することが有効です。プロのマッサージ師にクールダウンを行ってもらうことが理想ですが、トップアスリートでもない限りこのような恵まれた環境にはいませんので、セルフマッサージを覚えておくといいでしょう。
血行促進には、低周波治療器や電気治療器も有効です。電気治療は古くから病院でも用いられているもので、微弱な電流を痛みがある場所に流して筋肉の緊張を緩和し、血流を改善する効果があります。
筋肉痛が起きてしまったら、痛みがあってもじっとせずに軽く動いた方が血流がアップし回復を早めます。しかし、筋肉痛が回復するまで激しい運動はやめておきましょう。(※4)

食事や飲み物、睡眠で筋肉痛を緩和

運動後にカフェインを摂ると、筋肉痛が緩和されるという研究結果があります。運動後24時間経過した後、体重1㎏に対して6㎎のカフェインを摂取したところ、一時的に筋肉痛を緩和したことが研究で分かりました。これは、筋肉損傷後の炎症が原因で放出する発痛物質の受容体にカフェインが作用することが、痛みの緩和に働くと推察されています。このため、コーヒーや緑茶に含まれるカフェインが筋肉痛を緩和する薬理効果があると考えられています。(※3)
また、タンパク質、ビタミン、ミネラルが豊富な食事を摂取することも、筋肉の回復を促します。(※4)
そして、大切なのは睡眠です。睡眠は、筋肉の疲労回復を促します。筋肉は寝ている間に回復を促します。激しい運動をした後の短時間睡眠は疲労回復を妨げます。筋肉痛緩和の目的だけでなく、疲労回復全般に睡眠時間は7時間確保することが理想で、最低でも6時間は睡眠をとるようにしましょう。時間の確保とともに良質な睡眠をとることも重要です。(※4)

※1 田中誠一、矢澤一良「健康生活の健康ワザ 超回復」シティブックス

※2 川崎医療福祉学会誌 Vol.16 No.2 2006 365-372

※3 北海道教育大学紀要(自然科学編)第66巻 第1号

※4 山田知生「スタンフォード式疲れない体」サンマーク出版

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