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(※1)1972年にデンマークで実施された調査では、急性心筋梗塞になる比率がデンマーク人の40%に対して、イヌイットはわずか3%という結果が出ています。また、イヌイットがよく食べるアザラシは、魚類を主食としています。
(※2)厚生労働省研究班による「多目的コホート研究」のひとつとして、日本各地に住む40~59歳の男女約4万人を対象に11年間に及ぶ追跡調査が実施されたものです。
(※3)この調査は、魚に含まれるDHAとEPAの効果を対象としたもので、サプリメントによる効果は検討されていません。
実はこの4つ、いずれも心筋梗塞の予防に重要な栄養素なのです。
例えばカルシウムは、心臓の筋肉(心筋)を動かすのに欠かせません。体内のカルシウムが不足すると、心臓を動かすために骨からカルシウムがうばわれ、その結果、血液中のカルシウム・バランスがくずれて血栓ができやすくなります(詳細は「はじめよう!ヘルシーライフ」Vol.15をご参照ください)。
次のカリウムは、ナトリウムと一緒になって心臓の筋肉を動かす電気信号を生み出し、心臓の働きを調節する栄養素です。総じて日本人はナトリウム(塩分)を多くとるため、カリウムとのバランスがくずれると、心臓の動きに悪影響を与えかねません。
従来の「日本人の食事摂取基準」では、カリウムの基準量は1日2000mgとされ、多くの人がこの数値を満たしていました(※5)。しかし2005年の改定では、1日3500mgへと大幅に増量されました。これほどカリウムが重視されたのは、初めてのことです。
3つ目の食物繊維は、最近の研究から心筋梗塞のきっかけとなる血管の炎症を抑える効果が報告されています(※6)。体内で炎症などが起こると、C-反応性タンパク質(CRP)が増加することから、CRPは心筋梗塞や動脈硬化のマーカーとして注目されています。食物繊維をたくさんとる人はCRP濃度が低く、それだけ心筋梗塞のリスクも低下します。
最後のDHAとEPAは、前述したので省略しますが、これら4つの栄養素が、心筋梗塞の予防には非常に大切であることを知っておきましょう。
(※4)「日本人の食事摂取基準」は、私たち日本人が毎日の食事からとるべき栄養の基準(必要量)を定めたもので、栄養指導の基準ともなっています。
(※5)日本人の平均的なカリウム摂取量は1日2400mg程度で、従来の基準は満たしていますが、改定された基準(3500mg)とはかなり差があります。
(※6)アメリカのマサチューセッツ医科大学の報告(2006年)によると、食物繊維を最も多くとるグループ(1日22.36g)は、最も少ないグループ(1日10.22g)と比較して、CRP濃度が63%も低いことがわかっています。CRP濃度が高いと、糖尿病のリスクも高まることから、食物繊維の摂取による心疾患や糖尿病の予防効果が期待されています。
DHAとEPAを多く含む魚類の代表は、アジ、サバ、イワシ、サンマなどの青魚です。しかし、マグロやサケなどにも多いので、こういった魚を週のうち3~4回程度は食べるようにしましょう(※7)。
とくに肉食が多い人は、メインのおかずを少しずつでも魚に替えていくことが大切です。
カルシウムを豊富に含む食材には、牛乳と小魚があります。とくに牛乳はカルシウムの吸収率が高く、効率的にとることができます。脂肪分が気になる人は、低脂肪乳にしましょう。
牛乳が苦手な人はチーズなどにするか、大豆食品(納豆や木綿豆腐など)、海藻類(ひじき、昆布など)、切り干し大根、緑黄色野菜にも多く含まれているので、こうした食品をバランスよくとることが大切です。
また納豆にはカルシウムのほか、ナットウキナーゼという特殊な酵素が含まれています。ナットウキナーゼには血栓を溶かす働きがあり、心疾患の予防効果が高いことが知られています(※8)。
カリウムはバナナに多く含まれていますが、野菜類ではトマト、カボチャ、ほうれん草、サトイモ、大豆類にも豊富です。このうちトマトにはカリウムだけでなく、LDL(悪玉)コレステロールの増加を抑えるリコピンという成分が含まれています。
ただし腎臓疾患がある人は、カリウムの排泄がうまくできないこともあるので、医師に相談してください。
食物繊維を多く含む食品ではコンニャクが有名ですが、ごぼうや切り干し大根などの根菜類、ひじきや昆布などの海藻類、サツマイモやサトイモなどのイモ類、きのこ類などにも豊富に含まれています。
女性には便秘解消などを目的に食物繊維をとる人が多いのですが、中高年男性も心筋梗塞の予防のために食物繊維をしっかりとりましょう。食物繊維の多い食品は、総じてカロリーの低いものが多いので、肥満解消にも役立ちます。
(※7)魚類に蓄積している水銀が妊婦に影響を与えることがあります。妊娠中の女性が魚類をたくさん摂取するときには、医師に相談してください。
(※8)ワルファリンという血栓の予防薬を飲んでいる場合は、ナットウキナーゼが薬の効果を阻害することがあるので注意が必要です。
※このコラムは、掲載日現在の内容となります。掲載時のものから情報が異なることがありますので、あらかじめご了承ください。