医師から高血圧の治療が必要だと言われました。今は特に症状もないのですが、治療をせずに放置していたら、どのような症状が起こるのでしょうか

高血圧 病名・疾患解説
医師から高血圧の治療が必要だと言われました。今は特に症状もないのですが、治療をせずに放置していたら、どのような症状が起こるのでしょうか
高血圧が進行することで、脳や心臓、腎臓に関する自覚症状が現れることがあります。
高血圧には特徴的な自覚症状がないために、重症になるまで治療を怠ってしまう場合が多くみられます。しかし、高血圧の状態が長く続くと血管や全身の臓器に負担をかけ、動脈硬化が進行して、合併症を引き起こします。高血圧に伴う自覚症状では、以下のようなものがよく知られています。

●脳
主に、頭痛や耳鳴り、めまい、手足の痺れなどが現れます。動脈硬化が進行すると脳の血管内が細くなったり弱くなるために、脳卒中を発症する可能性が非常に高くなります。
●心臓
動悸や息切れなどが現れることがあります。心臓は血圧が高くなっていると、その力に抵抗するため、より強い力で血液を送り出さなくてはならなくなります。そのため心臓が肥大し、心筋梗塞や心不全を起こしやすくなります。
●腎臓
倦怠感やむくみが現れます。また、腎臓に対する障害が進んでくると、尿検査でタンパク尿が検出されることもあります。腎臓には細い血管が多数あり、これらの動脈硬化が進むと腎臓機能が低下し、腎不全となる可能性があります。

そのほか、高血圧に特徴的症状とは言えませんが、頭重や肩こり、食欲不振などの症状がでることもあります。また、血圧は体感ではわかりにくいものですから、日々の血圧測定で健康管理をすることが、一番正確でしょう。主治医の指示に従って、自覚症状が現れる前に治療に取り組みましょう。

先生のプロフィール

島本 和明先生

島本 和明 先生

日本医療大学総長
略歴
昭和46年 札幌医科大学卒業
昭和47年 札幌医科大学第二内科入局
昭和48年 東京大学医学部第三内科研究生
昭和53年 米国サウスカロライナ医科大学 留学
昭和55年 札幌医科大学第二内科講師
昭和59年 札幌医科大学第二内科助教授
平成8年 札幌医科大学第二内科教授
平成16年 札幌医科大学附属病院長
平成22年 札幌医科大学理事長・学長
平成28年 日本医療大学総長
ご専門
内科学全般、循環器、高血圧、腎臓、内分泌、糖尿病

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