vol.125 糖尿病の治療中ですが、最近、食事中にやたらに汗をかきます。これは糖尿病と関係があるのでしょうか?

生活習慣病Q&A
糖尿病の治療中ですが、最近、食事中にやたらに汗をかきます。これは糖尿病と関係があるのでしょうか?
熱いものや辛いものを食べて顔に汗をかくのは、生理的な現象です。異常な発汗がみられる場合には、糖尿病による神経障害で起こっている可能性もあります。
糖尿病神経障害は、眼の合併症(網膜症)や腎臓の合併症(腎症)とならんで、高血糖の状態が長く続くことによって起こる糖尿病の3大合併症のひとつです。この神経障害は、末梢神経だけでなく、自律神経にも及びます。自律神経が障害されると、低血糖時に交感神経がうまく働かなくなり、無自覚低血糖になったり、急に立ち上がったりしたときにめまいや立ちくらみなどを起こしたり(起立性めまい)や失神(起立性低血圧)を起こすことがあります。中には、胃の動きが悪くなったり(胃麻痺)、頑固な便秘や下痢を起こす人もいます。熱いものや辛い物を食べると、顔に汗をかくのは味覚性発汗で、生理的な現象です。この味覚性発汗は、首のまわりの病気でも増加する場合があります。

糖尿病で味覚性発汗が亢進することはそれほど多くありませんが、その症状で困っている場合には、専門の医師にきちんとした異常発汗について診断をしてもらい、適切な治療をしてもらいましょう。

先生のプロフィール

坂根 直樹先生

坂根 直樹 先生

独立行政法人国立病院機構京都医療センター
臨床研究センター 予防医学研究室室長
略歴
昭和64年 自治医科大学医学部卒業
昭和64年 京都府立医科大学附属病院(第1内科)研修医
平成3年 大江町国保大江病院内科
平成5年 弥栄町国保病院内科
平成6年 京都府保健福祉部医療・国保課
平成7年 綾部市立病院(内分泌科)
平成10年 大宮町国保直営大宮診療所
平成11年 京都府立医科大学附属病院修練医(第1内科)
平成13年 神戸大学大学院医学系研究科分子疫学分野(旧衛生学)助手
平成15年 独立行政法人国立病院機構京都医療センター(旧国立京都病院)
臨床研究センター 予防医学研究室室長
ご専門
糖尿病、糖尿病教育、内分泌

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