vol.149

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Q質問

糖尿病になると、感染症全般にかかりやすいと聞きましたが、本当でしょうか?

A回答

はい。高血糖により抵抗力が弱くなるため、感染症全般にかかりやすいと言われています。普段から、感染症に対する抵抗力をつけるために工夫をすることも大切です。
糖尿病の患者さんで、高血糖が持続すると、細菌・ウイルス・真菌などに対する抵抗力が弱くなり、インフルエンザや結核など感染症全般にかかりやすいと言われています。歯周病菌による歯周病や真菌による爪白癬などにかかるリスクも高くなります。また、変形性膝関節症や腰椎手術の術後も、感染を起こしやすいと言われています。
さらに、いったん感染症にかかると、重症化しやすいことが知られています。近年、オーストラリアで糖尿病患者110万人を対象に行われた大規模な疫学調査では、1型糖尿病患者の感染症による死亡率は通常の約4倍、2型糖尿病でも約1.5倍と、健常者に比べ、かなり高い致死率が示されました。糖尿病患者はインフルエンザやそれに続く肺炎での死亡リスクも高く、重症急性呼吸器症候群(SARS)なども糖尿病を有している場合は重くなりやすく、死亡率も高いことが認められています。日本人の糖尿病患者の死因をアンケート調査により分析した報告でも、感染症は1位の悪性新生物(がん)、2位の血管障害に次いで第3位(14.3%)と、高い位置を占めています。

また、経口糖尿病薬の中で、SGLT2阻害薬を投与している人は尿に糖が余分に排泄されるために、尿路感染症や性器感染症になるリスクが高くなります。 こういった感染症にならないために、インフルエンザや肺炎球菌のワクチン接種を受けておくことが大切です。糖尿病の人はインフルエンザにかかるリスクが高いことが知られています。特に血糖コントロールが悪いと免疫機能が低下して、重症化しやすくなっています。カナダにおける調査によると、インフルエンザで入院する危険性は、糖尿病でない人よりも6%高かったとも報告されています。
「インフルエンザワクチンを受けたのにインフルエンザにかかった」と嘆く人がいます。インフルエンザワクチンの効果はインフルエンザにならない(発症予防)だけではありません。ワクチンによるインフルエンザの発症予防効果は70~90%です。すなわち、ワクチンによる発症予防は100%ではないのです。高齢者がワクチンを受けると、肺炎やインフルエンザによる入院が27%、死亡によるリスクが48%減少するとの報告もあります。つまり、ワクチンは発症予防だけでなく、重症化予防、さらには死亡予防効果があるのです。

そして、何よりも大切なのは、これら感染症に対する抵抗力をつけておくことです。そのためには、良好な血糖コントロールに加え、適度な運動、バランスのとれた食事、規則的な生活、良質の睡眠をとることが大切です。皆さんは感染症に対する抵抗力をつける工夫をされていますか?


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