夫が高血圧のため、食事を作る際には塩分に気をつけています。他に、高血圧によい食品などはありますか?

高血圧 予防・対策・生活改善
夫が高血圧のため、食事を作る際には塩分に気をつけています。他に、高血圧によい食品などはありますか?
減塩以外にも、高血圧にはカリウム、カルシウム、マグネシウムを含む食品をとることが効果的です。
高血圧の人にとって塩分を控えることはとても大切なことです。同様にカリウムやカルシウム、マグネシウムを含む食品をとることも血圧管理には効果的です。カリウムは末梢血管を拡張して血圧を下げる働きがあることから、血圧の上昇を抑制したり、腎臓がナトリウム(塩分)を吸収するのを抑制したりする働きがあります。また、カルシウムやマグネシウムが不足してしまうと血管の壁が収縮し、血圧が上昇します。ひどい場合には狭心症や心筋梗塞の原因にもなりかねません。

これらの栄養を多く含む食品には、

  • カリウムを多く含む食品―ホウレンソウ、サツマイモ、ひじき、バナナ
  • カルシウムを多く含む食品―いわし、牛乳、ヨーグルト
  • マグネシウムを多く含む食品―大豆、こんぶ、するめ

などがあります。

「日本人の食事摂取基準(2005年版)」では、成人一日あたりの所要量をカリウム/3,500mg(生活習慣病予防の観点からみた望ましい摂取量)、カルシウム/男性:650~900mg、女性:600~700mg(目安量)、マグネシウム/男性:310~370mg、女性:270~290mg(推奨量)と定めています。ただし、重篤な腎障害をもつ人が野菜や果物をとり過ぎると、高カリウム血症になる可能性があります。同様に、糖尿病患者の人が果物をとり過ぎると摂取カロリーの増加につながることがあるので注意が必要です。高脂血症の人は乳製品のとり過ぎに注意すべきです。
規則正しい生活習慣をこころがけ、栄養をバランスよくとることが、血圧を下げるポイントです。

先生のプロフィール

山田 信博先生

山田 信博 先生

筑波大学学長
略歴
昭和51年 東京大学医学部医学科卒業
昭和53年 東京大学医学部附属病院 第三内科医員
昭和58年 カルフォルニア大学サンフランシスコ校留学
昭和61年 東京大学医学部第三内科助手
平成6年 東京大学医学部第三内科講師
平成7年 東京大学医学部第三内科助教授
平成10年 東京大学大学院医学系研究科糖尿病代謝内科助教授
平成11年 筑波大学臨床医学系内科(内分泌代謝)教授
平成21年 筑波大学学長
ご専門
糖尿病、内分泌、動脈硬化

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