vol.99 30代です。健康診断で血圧が130/105mmHgでした。下の血圧だけが高い場合にはどのようなことが原因として考えられますか?
生活習慣病Q&A
- 30代です。健康診断で血圧が130/105mmHgでした。下の血圧だけが高い場合にはどのようなことが原因として考えられますか?
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末梢の血管が収縮して血液が流れにくくなっていること、心拍出量が少なくなっていることが考えられます。再度血圧を測定し、同じ結果になるようでしたら生活習慣の改善から始め、慎重に降圧薬を使用することも考えましょう。診察室血圧は140/90mmHg以上、家庭血圧は135/85mmHg以上なら高血圧と診断されます。健康診断での130/105mmHgという値からすると、下の血圧(拡張期血圧)が基準値を上回っていますから、高血圧ということになります。
血圧は、心臓から出る血液の量(心拍出量)と、末梢の細い血管での血液の流れにくさ(末梢血管抵抗)の2つの因子によって決まってきます。このうち、心拍出量は上の血圧(収縮期血圧)へ、末梢血管抵抗は下の血圧への関連が大きいと考えられています。したがって健康診断での130/105mmHgという値は末梢血管抵抗が大きくなったため、下の血圧が高くなっていると考えられます。このような症状は、とくに若い人によくみられます。また、下の血圧が高いのに対し上の血圧は正常範囲ですが、この場合は心拍出量が少ないことが考えられ、肥満と運動不足の可能性があります。
高血圧かどうかは一度の測定では断定できませんので、再度病院で測定してください。高血圧と診断された場合、治療は食事療法・運動療法など生活習慣の改善から始めます。それでも血圧が下がらない場合には、生活習慣の改善とともに降圧薬療法を行います。降圧薬の使用で上の血圧も下がりますので、少量から慎重に使用することになります。
いずれにしても病院で再度血圧を測定し、原因を調べてもらうなど医師の指導を受けましょう。[PR]
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先生のプロフィール

島本 和明 先生
日本医療大学総長
- 略歴
- 昭和46年 札幌医科大学卒業
昭和47年 札幌医科大学第二内科入局
昭和48年 東京大学医学部第三内科研究生
昭和53年 米国サウスカロライナ医科大学 留学
昭和55年 札幌医科大学第二内科講師
昭和59年 札幌医科大学第二内科助教授
平成8年 札幌医科大学第二内科教授
平成16年 札幌医科大学附属病院長
平成22年 札幌医科大学理事長・学長
平成28年 日本医療大学総長 - ご専門
- 内科学全般、循環器、高血圧、腎臓、内分泌、糖尿病