vol.146 女性に増加中の薄毛「最新治療とヘアケア」

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Vol.146 女性に増加中の薄毛「最新治療とヘアケア」 スマートフォンをはじめとするITの進歩によって、私たちの日常はどんどん便利になっています。その分、時間に余裕ができて快適になっているはずなのに、逆行しているかのような報告があります。統計数理研究所が2013年に行った「日本人の国民性調査」によると、1カ月間に「いらいら」したことが「ある」と答えた人は50%。調査ごとに増えて初めて半数に達し、現代人がストレス社会に生きていることがよくわかります。とくに著しく増加していたのは若い女性。20代は77%、30代は76%が「ある」と答えています。
髪の分け目が薄くなった、頭頂部が薄い、抜け毛が増えた…。髪の悩みは男性だけではありません。薄毛に悩む女性は多く、最近、増えているのが若い女性の男性型脱毛症です。男性型脱毛症の一番の原因は、ストレスといわれています。薄毛の治療に詳しいかくた皮膚科クリニックの角田美英院長は、「ストレスがあると副腎皮質ホルモンが分泌されて男性ホルモンの活性が高まり、頭頂部が薄くなります。母方の祖父の髪が薄いなど遺伝的な傾向のある人に、ストレスが加わるとなりやすい。髪が薄くなったという感覚は、初期の症状であることが多いという科学的なデータが出ています。気になったら皮膚科のクリニックを受診した方がいいです」と話します。

女性の薄毛の原因は、大きく3つある

女性の薄毛は、3つに分けられます。1つは「男性型脱毛症」、2つ目は「休止期脱毛症」、3つ目が「加齢変化」です。診察で問診と血液検査を行い、血液検査の結果、異常がない場合は男性型脱毛症、または加齢変化と診断されます。男性型脱毛症の治療は、ミノキシジルの内服と2%濃度の外用薬が用いられます。加齢変化は60~70代の薄毛のこと。年だからと諦めがちですが、治療できます。「加齢変化の治療は男性型脱毛症と同じですが、副作用がないものということでパントガールというサプリメントを希望する人も多いです。ビタミンとアミノ酸が有効成分で、この中のケラチンは髪の毛と同じ成分。髪の質がよくなります」(角田院長)。また、血液検査で異常があると休止期脱毛症と診断されます。この場合は脱毛の原因となっている病気の治療を優先し、薄毛は脱毛治療薬のアロビックス(外用薬)などを用いるということです。

最近話題のまつ毛の育毛薬が髪にも効く?

薄毛の治療薬では、最近、「睫毛貧毛症(しょうもうひんもうしょう)」に効果のあるグラッシュビスタ(外用薬)の登場が話題となっています。睫毛貧毛症は、まつ毛が不足している状態。グラッシュビスタはもともと緑内障の治療薬ですが、まつ毛の育毛に効くことがわかり、用いられるようになったものです。効果は2カ月後から現れ、まつ毛の長さは4カ月で1.5mm長くなるといわれています。「加齢変化による睫毛貧毛症や、がんの化学療法でまつ毛が薄くなった人にも効果があることがわかっています。さらに、髪やまゆ毛の育毛にも効果があるのではということで、いま、アメリカで臨床試験がされています。結果が出たら育毛の世界も変わってくるのではないでしょうか」と角田院長は期待を寄せます。

治療に違いがある皮膚科と美容皮膚科

薄毛は病気と個性に分けられ、男性型脱毛症や加齢変化は後者に当てはまるため、健康保険がききません。まつ毛の育毛治療も美容とみなされ、受けたい場合は自費になります。薄毛の治療は皮膚科で受けられますが、病気で健康保険がきく場合と自費になる場合があり、さらに、一般の皮膚科と美容皮膚科では受けられる治療が違うのでその点も知っておくことが大事です。「一般の皮膚科は保険診療のため、処方できる薬が限られます。美容皮膚科も標榜しているところは、自費の治療ができるので薬の選択肢が広いといえます。ただし、美容皮膚科でも育毛をしているとは限りません。薄毛の治療を希望する場合は、育毛を取り扱う美容皮膚科を探すといいでしょう」(角田院長)。

秋の抜け毛を防ぐ夏のヘアケア

若い女性の薄毛は、鉄不足による鉄欠乏性貧血や亜鉛不足でも起こります。無理なダイエットは美しい髪まで失います。まずはきっちりと食事をすることが大切です。良質のたんぱく質を含む魚、肉、ヨーグルトや、亜鉛、マグネシウム、ビタミンB群を多く含むナッツなどを積極的に摂りましょう。夜10時から深夜2時は髪を育てるゴールデンタイム。それまでには就寝を。たばこは末梢の血管を収縮させて血行を悪くするので、やめましょう。
夏は、紫外線や汗で髪や頭皮が傷みやすい季節です。「夏の頭皮の日焼けは、秋の抜け毛にダイレクトにひびく」と角田院長。無防備な外出は危険なので、帽子をかぶるか日傘を差しましょう。シャンプーは刺激の少ないアミノ酸系がおすすめです。また、月に1回程度ヘッドスパに行くこともいいストレス解消になるとアドバイスします。いらいらはストレスがある証拠。自分なりの解消法を見つけて、きちんと食べて、よく眠り、気分よく過ごすことが髪を健康へと導きます。

監修 かくた皮膚科クリニック院長 角田 美英 先生

  • このコラムは、掲載日現在の内容となります。
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