高血圧による脳・心血管疾患の発症ゼロへ

血圧ラボ 血圧基礎知識編血圧の基本

血圧とは

「血圧値は、常に一定である」という誤解

血圧変動にはリズムがある (詳細:日内変動)

血圧は常に変動していることを知っていますか?それは、高血圧患者さんに限ってのことではなく、正常な血圧の人であっても同じです。一日単位の血圧変動(日内変動)をみると、睡眠中の血圧は低く、起床とともに上昇していきます。日中の活動時間の血圧は高く、活動量が低下する夕方から夜にかけて再び低下していくというリズムが基本です(図)。

図 正常血圧者の血圧日内変動

図 正常血圧者の血圧日内変動
【方法】正常血圧者の24時間自由行動下血圧を測定
Millar-Craig MW, et al. Lancet. 1978;1(8068):795-7.

血圧変動に関係する生活習慣とは?

血圧は、心臓から送り出される血液量(心拍出量)や、血管の抵抗性の強さ(末梢血管抵抗)、全身を巡る血液量などによって変わります。そこには、普段の生活習慣も深く関係しています。

・ストレス

ストレスを受けると交感神経が活性化して血管が収縮し、血圧が上昇します。
「ブルーマンデー」といわれるように、一週間の中でも、休日明けの週の始めである月曜日は特にストレスがかかりやすい曜日です(特に月曜日の朝10時)。起床時に血圧が上昇することを「モーニングサージ」といいますが、月曜日はモーニングサージ(上昇幅)が大きいことが報告されています。また、継続的にストレス負荷がかかると、夜間血圧を上昇させることもわかっています。

※ご参考:『ビジネスパーソン調査』

・食塩摂取過多

食塩摂取量と血圧上昇との間に関連があることはよく知られています。「減塩によって将来の血圧上昇が抑制される」との報告や、「食塩摂取過多の患者では24時間を通して血圧が高い」との報告があります。

・運動不足・肥満

運動不足はそれ自体が高血圧の原因となるほか、運動不足による肥満が高血圧のリスクを高めます。また、肥満の人では睡眠時無呼吸症候群(SAS)のリスクが高く、SASは睡眠中の血圧上昇(スリープサージ)や昼間の血圧上昇、夜間高血圧をもたらします。

・睡眠不足

睡眠中は交感神経の活動が低下し、血圧は低くなります。しかし、睡眠不足になると交感神経が活性化したままで夜間の血圧が低下しないだけでなく、朝や昼間の高血圧のリスクが高くなります。

・飲酒

飲酒すると末梢血管が拡張するため一過性(数時間持続)に血圧が低くなりますが、飲酒習慣は血圧上昇の原因となります。また、飲酒により早朝の血圧上昇のリスクが高まることがわかっています。

・寒冷

寒い季節には起床前の血圧が低下するため、起床時の血圧上昇(モーニングサージ)が大きくなります。

・喫煙

喫煙習慣が高血圧の要因かどうかはまだ明確になっていませんが、喫煙により末梢血管が収縮し、一時的に血圧が上昇します(1本のタバコで15分程度)。

血圧変動(日内変動)について知り、そのリズムや関連する生活習慣等について正しく理解することは、とても大切なことです。血圧についてのより深い知識を身につけることで、自分の心身の状態やリズムをより正確に把握することができるようになり、日々の健康管理に大いに役立つことでしょう。

参考

高血圧治療ガイドライン2014 第4章生活習慣の是正
Kimura G, et al. Hypertens Res 2017; 40(7): 671-674.
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Nagata K, et al. Hypertens Res 2008; 31:185-191
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Ishikawa J, et al, Hypertens Res 2006; 29: 679-686
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