
オムロンの血圧計
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家庭用血圧計やABPMで測定した夜間血圧の平均値が120/70mmHg以上の場合、夜間高血圧と定義されます。
普通に生活をしていても血圧は一定ではありません。1日の中でも常に変動しています。この血圧変動に大きく関わるのが、交感神経と副交感神経からなる自律神経です。
交感神経は、緊張したときや興奮したときに優位になり、心拍数を増加させ血圧を上昇させます。一方、副交感神経は、休息時や睡眠時など、リラックスした状態のときに優位になる神経です。心拍数を下げ、血管を広げることで血圧を低下させます。
本来、夜間の睡眠中には副交感神経が優位に働き、昼間に比べて10 ~ 20 %ほど血圧が下がるのが一般的です。心拍数が減り脈拍も下がるので、心臓や血管への負担が軽くなります。
ところが、夜間高血圧の場合は夜も血圧が低下しないため、心臓や血管は休む暇がありません。寝ていても血圧が高い状態が続くことで体に大きな負担がかかり、脳卒中や心筋梗塞などの脳心血管疾患のリスクが高まります。
血圧が正常に低下する人と比べると、夜間になっても血圧が下がらず変わらない人は2.56倍、上昇する人は3.69倍、脳卒中による死亡率が高いというデータもあります。
夜間高血圧は、病院や診療所などの血圧測定では見つけにくいものですが、生命を脅かす恐れもあるので、早期発見、早期治療に努めることが大切です。
夜間の血圧変動には、大きく分けて4種類のタイプがあります。
夜間高血圧の原因として、心不全や慢性腎臓病、糖尿病、自律神経障害、睡眠時無呼吸症候群(SAS)などが考えられます。また、塩分の過剰摂取、ストレス、睡眠不足、肥満なども関係するので、減塩やストレスの軽減、十分な睡眠を心がけることが大切です。
夜間高血圧の影には、睡眠時無呼吸症候群が隠れていることが少なくありません。睡眠時無呼吸症候群とは、眠っている間に呼吸が止まってしまう状態を繰り返す疾患です。国内における高血圧患者の約10%に認められています。睡眠時無呼吸症候群には、気道の閉塞を伴うものと伴わないものがあり、このうち高血圧と関係が深いのは、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)です。
本来、睡眠中には副交感神経が優位になることで血圧が下がりますが、OSAS患者の場合は寝ている間に呼吸が止まり、無呼吸、呼吸再開のパターンを繰り返すため、交感神経が優位になり続けます。その結果、血圧が高くなってしまうのです。
もし、夜間の血圧が高く、家族にいびきや呼吸停止を指摘されることがあれば、閉塞性睡眠時無呼吸症候群を疑ってみましょう。
24時間の血圧測定に基づいた研究では、昼間の血圧よりも夜間の血圧のほうが脳心血管疾患のリスクをより正確に反映することがわかっています。脳卒中や心筋梗塞を予防するためには、夜間の血圧を正確に把握することが重要です。
夜間高血圧を見つける方法として、従来では、丸一日、すなわち24時間の血圧を連続して測定する「24時間自由行動下血圧測定(ABPM)」が用いられてきました。腕に巻くカフと腰に装着する測定装置、この2つをつなぐチューブからなる特殊な血圧計を身につけて1日過ごすことによって、15分〜1時間ごとの血圧を自動的に測定するというものです。
これを使用すれば、通常の血圧測定では知り得ない、夜間睡眠時の血圧変動を把握できます。その一方で、頻繁な血圧測定が睡眠の質を低下させ、血圧上昇をもたらすため、本来よりも高い血圧値を示す可能性が指摘されています。また、この測定装置は、医療機関から必要な人だけに貸し出しされるもので、一般の人は気軽に使用できません。
そこで、最近注目されているのが、手首式血圧計です。本体が小さいので、機器から発する音が小さい、圧迫面積が小さく痛みや不快感が少ない、測定頻度が高くても睡眠が妨害されにくいといったメリットがあります。
最近では、スマートフォンのアプリへデータ転送が可能な血圧計も登場しています。それらをうまく活用しながら夜間血圧を定期的に測定して、健康管理に役立てましょう。
※このコラムは、掲載日現在の内容となります。掲載時のものから情報が異なることがありますので、あらかじめご了承ください。