健康診断で3回続けて心電図の異常を指摘され、「要観察」といわれました。心臓の病気なのでしょうか?

不整脈・心房細動 セルフチェック(正しい測り方・健康診断)
健康診断で3回続けて心電図の異常を指摘され、「要観察」といわれました。心臓の病気なのでしょうか?
心電図の異常で要観察といわれるものは、何らかの不整脈と思われます。不整脈は、健康な人でも記録されることがあります。医師が再検査や治療が必要と判断しない限り、過度に心配しないようにしましょう。ただし、要観察から要治療になったり、動悸やめまいなどの症状に気をつけて異常を感じたら医師に相談しましょう。
不整脈には心配のない不整脈と、治療を要する不整脈があります。
成人でよくみられる不整脈に、心臓の収縮を起こす電気の発生場所と伝わり方は正常で一定のリズムをきざんでいるが(洞調律という)、1分間あたりの心拍数が50回以下になる洞性徐脈、100回以上になる洞性頻脈があります。これらは、自律神経のアンバランスによって起きることが多く、興奮や精神的緊張、運動後などによくあらわれます。原因となる病気や症状(動悸、胸苦しさ、めまい、失神など)がなければ過度の心配はいらない不整脈です。この他に、ブロック(電気の伝わり方に異常がある)や期外収縮(一定のリズム以外で心臓が収縮する)などの不整脈も健康時にみられることがありますが、医師が要治療と判断しない限り気にしすぎないようにしましょう。
一方、心臓の電気の発生場所や伝わり方に異常があり、動悸やめまいなどの症状もあらわれると危険な不整脈(心房細動、心室細動など)が発生している恐れがあります。この場合は、治療が必要と判断されるでしょう。
不整脈は健康診断の時以外にも起きている可能性があります。最近は、携帯型心電計が手軽に入手できるので、心配であれば受診の上、症状を感じた時の心電図を記録して医師に相談しましょう。

先生のプロフィール

島本 和明先生

島本 和明 先生

日本医療大学総長
略歴
昭和46年 札幌医科大学卒業
昭和47年 札幌医科大学第二内科入局
昭和48年 東京大学医学部第三内科研究生
昭和53年 米国サウスカロライナ医科大学 留学
昭和55年 札幌医科大学第二内科講師
昭和59年 札幌医科大学第二内科助教授
平成8年 札幌医科大学第二内科教授
平成16年 札幌医科大学附属病院長
平成22年 札幌医科大学理事長・学長
平成28年 日本医療大学総長
ご専門
内科学全般、循環器、高血圧、腎臓、内分泌、糖尿病

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