高血圧が心配なので、家でも測れる家庭用の血圧計を買いました。一日に何度か測るようにしているのですが、毎回少しずつ血圧値が変わります。これはどういうことでしょうか。
高血圧
セルフチェック(正しい測り方・健康診断)
- 高血圧が心配なので、家でも測れる家庭用の血圧計を買いました。一日に何度か測るようにしているのですが、毎回少しずつ血圧値が変わります。これはどういうことでしょうか。
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血圧は1日を通して変動しています。正しい血圧値を知るには、毎日同じ時間に同じような状態・環境で測りましょう。血圧は、1日のうちに上がったり下がったり変化しています。これを血圧の日内変動といいます。一般的なパターンとしては、早朝、目覚めとともに徐々に血圧が上昇し、夜間睡眠時は日中の血圧よりも低くなります。しかし、中には一般的ではない変動を示す人もいます。その1つが、朝の起床時の血圧が夜間に比べて特に高い早朝高血圧です。早朝高血圧の場合、心筋梗塞や脳卒中など心血管疾患リスクが高まることが知られているので、早朝高血圧に気づいたら早めに医師に相談しましょう。
血圧は、心身の状態や測定環境・時間・体位などによって変化します。家で測定すると正常なのに、病院で測定すると高血圧を示す場合(白衣高血圧)や、その逆で病院では正常なのに、家で測ると高血圧だった(逆白衣高血圧または仮面高血圧)ということもあります。このように、さまざまな要因によって変化するため、正確な血圧値を知るには、同じ時間に同じような状態・環境で測定する必要があります。
家庭血圧測定は、血圧の日内変動を把握するうえでとても役立ちます。家庭血圧は、少なくとも1日2回(起床時1時間以内の排尿後・朝食前・降圧薬服用前と就寝時)、安静状態で測定しましょう。家庭血圧の測定によって、早朝高血圧や白衣高血圧の発見につなげることも可能ですし、高血圧治療中の場合には血圧の低下を実感できるため治療継続の励みにもなるでしょう。
先生のプロフィール

島本 和明 先生
日本医療大学総長
- 略歴
- 昭和46年 札幌医科大学卒業
昭和47年 札幌医科大学第二内科入局
昭和48年 東京大学医学部第三内科研究生
昭和53年 米国サウスカロライナ医科大学 留学
昭和55年 札幌医科大学第二内科講師
昭和59年 札幌医科大学第二内科助教授
平成8年 札幌医科大学第二内科教授
平成16年 札幌医科大学附属病院長
平成22年 札幌医科大学理事長・学長
平成28年 日本医療大学総長 - ご専門
- 内科学全般、循環器、高血圧、腎臓、内分泌、糖尿病