薬局で、血圧のお薬とグレープフルーツジュースを一緒に飲んではいけないと言われましたが、どうしてでしょうか
高血圧
治療・リハビリ
- 薬局で、血圧のお薬とグレープフルーツジュースを一緒に飲んではいけないと言われましたが、どうしてでしょうか
-
高血圧の薬の一部には、グレープフルーツジュースと一緒に飲むとその作用が必要以上に強くなってしまう可能性があるからです。高血圧や狭心症の治療によく使われるカルシウム拮抗薬という薬剤の一部は、肝臓にある酵素で代謝されます。一方で、グレープフルーツジュースに含まれる物質には、この代謝酵素を阻害する働きがあるため、同時に飲むと薬の代謝が阻害され、薬が長く体内にとどまり、必要以上に強い効果が出てしまう可能性があるのです。その結果、必要以上の血圧低下や心拍数の増加が起こり、頭痛、顔面紅潮、めまいなどの副作用の発現頻度が増えることが考えられます。
グレープフルーツジュースと薬の相互作用は、同時に飲んだ場合だけとは限りません。個人差がありますが、グレープフルーツジュースによる影響は十数時間持続することが確認されています。そのため、薬を飲む前にはグレープフルーツジュースを飲まないように気を付ける必要があります。また、ジュースだけでなく、グレープフルーツの果実や、グレープフルーツとぶんたんをかけ合わせて出来たスウィーティーにも同じ物質が含まれていますから注意が必要です。一方、柑橘類でもみかんやオレンジには代謝を阻害する物質が含まれていないので、薬の服用前後に食べても大丈夫です。
グレープフルーツジュースによる薬の代謝阻害作用はカルシウム拮抗薬だけでなく、抗血小板薬や高脂血症治療薬などの一部でも報告されています。また、グレープフルーツジュース以外の食べ物の中にも、薬との相互作用が確認されているものもあります。このような薬を使用する際には必ず医師や薬剤師からの注意がありますから、これらの指導をきちんと守って薬を服用することが大切です。[PR]
高血圧でお悩みの方必見
高血圧e-メディカルは、高血圧に特化したオンライン診療サービス。
詳しく見る
あなたの血圧データを見守り、医師が診察、お薬をご自宅までお届けします。
医師があなたのデータをもとに最適な治療方法を提案。
血圧に関するお悩みごとはいつでもチャットで相談が可能です。
待ち時間0、予定の調整も最小限で、あなたに最適な高血圧治療を無理なく続けられます。
高血圧治療を、もっと便利に、もっと安心に。
先生のプロフィール
島本 和明 先生
日本医療大学総長
- 略歴
- 昭和46年 札幌医科大学卒業
昭和47年 札幌医科大学第二内科入局
昭和48年 東京大学医学部第三内科研究生
昭和53年 米国サウスカロライナ医科大学 留学
昭和55年 札幌医科大学第二内科講師
昭和59年 札幌医科大学第二内科助教授
平成8年 札幌医科大学第二内科教授
平成16年 札幌医科大学附属病院長
平成22年 札幌医科大学理事長・学長
平成28年 日本医療大学総長 - ご専門
- 内科学全般、循環器、高血圧、腎臓、内分泌、糖尿病
関連コラム
-
高血圧治療・リハビリ
Q.先日、高血圧と診断され、現在飲んでいるお薬はありますか?と聞かれました。漢方薬は大丈夫だろうと思って申告しなかったのですが...。
A.漢方薬も医師に申告しましょう。カンゾウ(甘草)が含まれる漢方薬を長期的に服用している場合は、カンゾウ... -
高血圧治療・リハビリ
Q.糖尿病のため、以前から血糖降下薬を飲んでいます。先日、血圧が高いといわれ降圧薬を処方されましたが、問題ないでしょうか?
A.β遮断薬という降圧薬は、血糖降下薬による低血糖の発見を遅らせてしまう可能性があるので、注意が必要です... -
高血圧治療・リハビリ
Q.高血圧で薬を処方されたのですが、現在飲んでいるほかの薬についてうっかり申告し忘れました。よくないでしょうか。
A.薬は合わせて飲むことにより悪影響が出る可能性もあります。服用している薬があれば、必ず医師に申告しまし...