糖尿病のため、以前から血糖降下薬を飲んでいます。先日、血圧が高いといわれ降圧薬を処方されましたが、問題ないでしょうか?
高血圧
治療・リハビリ
- 糖尿病のため、以前から血糖降下薬を飲んでいます。先日、血圧が高いといわれ降圧薬を処方されましたが、問題ないでしょうか?
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β遮断薬という降圧薬は、血糖降下薬による低血糖の発見を遅らせてしまう可能性があるので、注意が必要です。いま飲んでいる血糖降下薬を、医師に必ず伝えましょう。糖尿病患者さんが経口血糖降下薬やインスリンを使っていると、低血糖状態になることがまれにあります。これは、これらの薬の量が多すぎた場合や、薬の量は変わらなくても運動量が多かったり食事の量が少ない場合などに、薬の働きがいつもより過剰になることによって起こります。低血糖になると、からだは血糖値を上げようとして交感神経の働きを強め、このときに冷汗、動悸、ふるえ、熱感、不安感、悪心などの自覚症状が現れます。
β遮断薬と呼ばれる降圧薬は、この交感神経の働きを強めて血糖値を上昇させる働き(β作用)をブロックしてしまいます。このため血糖値が回復しにくくなり、動悸などの自覚症状も隠されてしまうため、低血糖の発見が遅れることにもなります。低血糖が進むと、昏睡や最悪の場合は死に至ることもありますので、糖尿病で経口血糖降下薬やインスリン治療を受けている人はβ遮断薬の使用には注意が必要です。
薬の飲み合わせによる副作用が現れないようにするために、いま飲んでいる血糖降下薬を必ず医師に伝えましょう。
先生のプロフィール

山田 信博 先生
筑波大学学長
- 略歴
- 昭和51年 東京大学医学部医学科卒業
昭和53年 東京大学医学部附属病院 第三内科医員
昭和58年 カルフォルニア大学サンフランシスコ校留学
昭和61年 東京大学医学部第三内科助手
平成6年 東京大学医学部第三内科講師
平成7年 東京大学医学部第三内科助教授
平成10年 東京大学大学院医学系研究科糖尿病代謝内科助教授
平成11年 筑波大学臨床医学系内科(内分泌代謝)教授
平成21年 筑波大学学長 - ご専門
- 糖尿病、内分泌、動脈硬化
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