高血圧のお薬は、のむ時間によって効果も異なるのでしょうか?
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夜にのんだほうが、心疾患などのリスクが下がるともいわれますが、基本的には「のみ忘れしにくい決まった時間」にのむようにしましょう。薬をのむ時間は、ほとんどの場合、食事にあわせて考えられています。それは、薬の効き方や副作用の生じ方などに、食事の有無(胃の中に食べ物があるかどうか)が関係することがあるためです。例えば、食後に血糖値が上がるのを抑える糖尿病の薬などは、食前にのむ必要があります。このような薬は一般的に「時間薬」といわれますが、高血圧の薬は、「一日一回、経口投与」などが多く、特にのむ時間が定められた薬はありません。そのため、通常は朝にのむことが多いかと思います。
高血圧の薬は、まず忘れずしっかりのみ続けることが重要です。「のみ忘れをなくすためには、いつのむのがよいか?」は、生活スタイルなどとも関係するため、基本的しかしながら、近年、「降圧薬は朝のむよりも、夜のんだほうが効果が高い」ことを示すエビデンス(大規模な試験の結果など)が、海外でいくつか出はじめました。降圧薬を起床時にのむ群と就寝前にのむ群にわけ、どちらに心筋梗塞や心不全、脳卒中といった心血管疾患が多いか調べたところ、就寝前にのんだ方が、心血管疾患のリスクが低下するという結果が得られたのです。これはおそらく、「睡眠時の血圧が高いと、心血管疾患が発症しやすいからではないか、と考えられています。ただ、夜間の血圧の急激な低下は、高齢者にとっては逆に脳卒中のリスクになる場合もあります。人それぞれ一日のなかでの血圧の変動も異なりますので、基本的にはかかりつけの先生に相談し、24時間自由行動下血圧測定などを行ったうえで、のむ時間を決めるのがよいでしょう。
参考:
降圧薬の服用は朝より就寝時が効果的(Medical Tribune)
https://medical-tribune.co.jp/news/2019/1105522199/ 降圧薬を夜に内服したいと相談されたら…【処方上の注意点とは】
https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=3987[PR]
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先生のプロフィール

島本 和明 先生
日本医療大学総長
- 略歴
- 昭和46年 札幌医科大学卒業
昭和47年 札幌医科大学第二内科入局
昭和48年 東京大学医学部第三内科研究生
昭和53年 米国サウスカロライナ医科大学 留学
昭和55年 札幌医科大学第二内科講師
昭和59年 札幌医科大学第二内科助教授
平成8年 札幌医科大学第二内科教授
平成16年 札幌医科大学附属病院長
平成22年 札幌医科大学理事長・学長
平成28年 日本医療大学総長 - ご専門
- 内科学全般、循環器、高血圧、腎臓、内分泌、糖尿病
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