2006.09.08

vol.39 めまいは、どうして起こるの?

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めまいにも、いろいろある

Vol.39 めまいは、どうして起こるの? めまいはどれも同じ…そう思っていませんか。実は、めまいにはいくつかのタイプがあります。また、めまいと一緒に起こる症状も、人によってさまざまです。
というのも、めまいの原因となる病気はいろいろあって、それぞれタイプや症状が異なるからです。
あなたのめまいは、どのようなものですか。自分のめまいについて知っておくと、病気の予防に役立ち、病院を受診したときにそれを医師に伝えることで、より正確な診断の参考ともなります。めまいのタイプや症状と病気との関係を知っておきましょう。

<めまいの主なタイプ>

●ぐるぐるタイプ(回転型)
自分自身がぐるぐる回っている感じがする。また、周りの景色も回っているように感じる。

●ふわふわタイプ(動揺型)
足が地についていない感じがする。また、からだ全体がふわふわと漂っているようにも感じる。

●気が遠くなるタイプ(失神型)
目の前が暗くなり、気が遠くなる感じがする。あるいは実際に気を失ってしまう。

(※1)立ち上がったときなどにふらつく「立ちくらみ」も、めまいのひとつとされることもあります。これは、急激な血圧の低下などが原因で起こります。

<めまいに伴う症状と主な病気>

めまいとそのほかの症状から、次のような病気の可能性を知ることができます。あくまでも目安ですが、早期受診をするための参考にしましょう。

●めまいのみ
起立性低血圧(脳性貧血)、良性発作性頭位めまい症、前庭神経炎、脳梗塞

●手足のしびれ、強い頭痛、視覚障害、ろれつが回らない
動脈硬化、一過性脳虚血発作、脳梗塞、脳出血

●耳鳴り、難聴、吐き気
メニエール病、突発性難聴

(※2)このほか脳腫瘍、自律神経失調症、更年期障害、貧血、過労、薬の副作用(降圧薬や向精神薬など)によっても、めまいを起こすことがあります。

注意したい脳血管性のめまい

めまいでまず注意したいのが、脳卒中(脳梗塞や脳出血)によるものです。脳の血管が詰まったり、せばまったりして、血液の流れが悪くなるために、めまいが起こります。
脳梗塞などの場合には、めまいだけでなく、手足のふるえやしびれが生じる、経験したことがない強い頭痛が起こる、急に片方の目が見えにくくなる、喋り方がおかしくなる、などの症状を伴うことがあります。例えば食事中に急に手に力が入らなくなり、箸を取り落とす。話している途中でろれつが回らなくなり、何を喋っているのかわからなくなる、といったケースです。
もし、そのまま倒れたり、意識を失ったりした場合は、危険な状態なので、周りにいる人はすぐに救急車を呼びましょう。
軽い場合には、こうした症状があっても、すぐに治まってしまうことも少なくありません(一過性脳虚血発作)。そのため放置するケースが多いのですが、次に紹介するように、脳梗塞などの重大な病気の前触れということもあるので、早めに受診して検査を受けることが大切です。

動脈硬化に気を付けよう

一過性のめまいのなかでも、とくに気を付けたいのは「椎骨脳底動脈循環不全(ついこつのうていどうみゃくじゅんかんふぜん)」という病気です。 首と頭との境目にあたる椎骨や脳底の動脈が、加齢などによって動脈硬化を起こすと、脳への血液の流れが悪くなります。すると小脳や脳幹など平衡感覚をつかさどる部分に悪影響を及ぼし、その結果めまいが起こるのです。急に振り向くなど、頭を回転させたときに、めまいが起こりやすい傾向がみられます。
めまいのほかに、視覚障害(霧がかかったように見える、だぶって見えるなど)や吐き気、手足のしびれなどを伴うことが知られています。症状は一過性で、初期段階なら数分程度で治まりますが、放置していると繰り返すようになります。
この病気が注目されるのは、やがて脳梗塞を起こす例が少なくないことが、調査などからわかってきたからです。つまり、脳梗塞の前触れ症状のひとつといえます。
また、動脈硬化が原因であるため、高血圧や高脂血症などの患者さんはとくに注意が必要とされています(※3)。
一般に脳血管障害によるめまいでは、生活上でも食事や運動に気を使い、動脈硬化を起こさないようにすることが大切です。動脈硬化の予防や改善については、「生活習慣病ガイド・動脈硬化」の章をご参照ください。

(※3)椎骨脳底動脈循環不全は、一般に60歳以降に多くみられますが、高血圧や高脂血症などがある場合には、中年期から注意が必要です。

最も多いのは耳の病気

めまいの原因で最も多いのは耳の病気で、半数以上を占めています。耳のなかになんらかの障害が起こると、三半規管や蝸牛(かぎゅう)などの平衡感覚をつかさどる器官に影響を与えるためです。
耳の病気によるめまいでは、耳鳴りがする、耳が聞こえにくくなる、耳が詰まった感じがする、といった症状を伴うことがよくあります。こうした場合は、まず耳鼻科を受診して検査をしてもらいましょう。
めまいを起こす耳の病気では、メニエール病が有名ですが、ほかに良性発作性頭位めまい症や前庭神経炎などがあります。

良性発作性頭位めまい症

耳の奥にある耳石(じせき)という小さな石が、なんらかの理由で三半規管に入り込むことで起こります。頭を動かしたり、寝返りをうったときなどにめまいが起こりやすくなります。放っておくとめまいを繰り返すので、耳鼻科で検査を受け、耳石をもとの位置に戻す治療(運動療法)を受ける必要があります。

前庭神経炎

三半規管の近くにある前庭神経が、なんらかの原因で炎症を起こす病気です。原因はわかっていませんが、ウイルス性のものと考えられ、風邪をひいたときに起こりやすいので注意が必要です。前庭神経炎の場合、急に回転性の強いめまいが起こり、2~3日続くこともあります。早めに受診して、炎症を抑える薬などによる治療を受ける必要があります。めまいが治まった後も、しばらくからだがふらつくなどの症状が残りやすいため、平衡感覚を改善するリハビリをきちんと受けるようにしましょう。

メニエール病とストレス

めまいを起こすと、メニエール病を心配する人は多いでしょう。
メニエール病は、内耳(三半規管、前庭、蝸牛のある場所)の内リンパ液がなんらかの原因で増え、平衡感覚や聴覚に影響を及ぼすために起こる病気です。
なぜ内リンパ液が増えるのかは、わかっていません。しかし、まじめで神経質な人や疲れ気味の人などに多くみられることから、ストレスが引き金になりやすいと考えられています。
メニエール病は中高年だけでなく、30~40歳代でもみられます。また、女性に多いという特徴もあります。
一般にメニエール病の場合、ぐるぐると回る回転型のめまいを訴える人が多く、また耳が聞こえにくい、耳鳴りがするといった聴覚の異常を伴う人も多くみられます(※4)。放っておくと難聴になる可能性もあるので、早めに受診しましょう。

生活の上でも、
1.ストレスをためないようにする。
2.塩分を控えめにする。

といった注意が必要です。塩分を控えるのは、塩分を多くとると水分も多くとるため、内リンパ液の量が増えるためです(水分は大切ですが、必要以上にとらないために塩分を控えます)。

(※4) メニエール病のめまいでは、75%の人が回転型のめまいを感じています。また、聴覚の異常のほかに、頭痛や肩こりを訴える人もいます。

ミニコラム

めまいが起こったら、転倒などの危険を避けるため、しゃがむ、横になるといった姿勢をとりましょう。しばらく安静にするのがいちばんですが、耳に異常を感じた場合には、そちらの耳を上にして横向きに寝ると楽になるケースが多くみられます。また、光の刺激を避けるため、部屋を暗くする、厚手のタオルや服などで目を覆うといった対応も効果があります。

  • このコラムは、掲載日現在の内容となります。
    掲載時のものから情報が異なることがありますので、あらかじめご了承ください。

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