今のところ血圧は正常ですが、高血圧を予防するために食塩を摂りすぎないようにしたいと思っています。食塩の量の目安はどれくらいでしょうか?
高血圧
予防・対策・生活改善
- 今のところ血圧は正常ですが、高血圧を予防するために食塩を摂りすぎないようにしたいと思っています。食塩の量の目安はどれくらいでしょうか?
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日本高血圧学会では、血圧が正常な人にも高血圧予防のために食塩摂取量1日6g未満を推奨しています。高血圧の治療では食塩の摂取量の制限が重要であることはよく知られています。また、食塩の摂取を減らすことは、血圧が正常な人にとっても高血圧予防のために大切であると考えられています。
このことから、日本高血圧学会では高血圧を治療中の人だけでなく、血圧が正常な人に対しても食塩摂取目標量を1日6g未満とし、減塩を勧めています。一般の人にも減塩を推奨する取り組みは、イギリスやアメリカをはじめとした欧米でも進んでおり、これらの国でも一般の人に6g未満を勧めているほか、世界保健機関(WHO)では世界の人の食塩摂取目標量を5g未満としています。これに対し、日本人の食塩摂取量は以前に比べると減少傾向にあるものの、平成23年の国民健康・栄養調査では1日の食塩摂取量は10.4gと報告されており、日本ではまだ食塩を摂りすぎている人が多いのです。
食塩摂取量が3g減少すると約3mmHgの収縮期血圧の低下が期待でき、さらに脳卒中などの心血管病の減少につながります。血圧が正常な人も、1日6g未満を目標にして減塩に取り組みましょう。
日本高血圧学会では、1日の食塩摂取量を6g未満、カロリー摂取量を1850kcal前後にした減塩食レシピの冊子「高血圧患者さんのための減塩食レシピ」を発行しています。参考にしてみるとよいでしょう。
先生のプロフィール

島本 和明 先生
日本医療大学総長
- 略歴
- 昭和46年 札幌医科大学卒業
昭和47年 札幌医科大学第二内科入局
昭和48年 東京大学医学部第三内科研究生
昭和53年 米国サウスカロライナ医科大学 留学
昭和55年 札幌医科大学第二内科講師
昭和59年 札幌医科大学第二内科助教授
平成8年 札幌医科大学第二内科教授
平成16年 札幌医科大学附属病院長
平成22年 札幌医科大学理事長・学長
平成28年 日本医療大学総長 - ご専門
- 内科学全般、循環器、高血圧、腎臓、内分泌、糖尿病
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Q.病院で高血圧と診断され、塩分を控えるように指導されました。濃い味付けが好きなのですが、もう食べることはできないのでしょうか。
A.食べることはできますが、塩分をできるだけ減らす工夫をしましょう。 -
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Q.夫が高血圧のため、食事を作る際には塩分に気をつけています。他に、高血圧によい食品などはありますか?
A.減塩以外にも、高血圧にはカリウム、カルシウム、マグネシウムを含む食品をとることが効果的です。 -
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