vol.200 30代から始めたい老眼対策

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Vol.200 30代から始めたい老眼対策

ピントを合わせる目の調節力が衰えることを老眼(老視)といいますが、実は、老眼は思ったよりも早く、30代あたりから始まることをご存じでしょうか。
スマートフォン(以下、スマホ)の普及で、モノを見る環境が大きく変わった現代。特に最近はスマホの見過ぎによる「スマホ老眼」が老眼を早めているとも指摘されており、「そのまま放置するのはよくない」と専門家は話します。30代になったら気にしたい老眼対策をご紹介しましょう。

老眼の仕組みと始まる年齢、症状は?

私たちが何かモノを見ようとする際、角膜(黒目の部分)が外界の光を取り入れ、角膜の後ろにある水晶体というカメラのレンズに相当する組織が厚みを変えて、ピントを合わせています。日本コンタクトレンズ協議会理事や日本眼鏡学会評議員などを務める梶田眼科の梶田雅義院長は「この水晶体が年齢などの理由で固くなるなどして厚みの調節が難しくなり、ピントを合わせる力が衰えた状態が老眼です。調節力の衰えはこれまで40代ぐらいから始まるといわれていましたが、最近では30代からこうした症状が表れ始める人が出てきています」と解説します。
老眼の症状といえば、「手元の小さい文字が読みにくくなる」といったイメージがありますが、それだけでなく、「夕方になるとモノが見えにくい」「暗い場所で文字が読みにくい」「近くを見てから遠くを見ると、すぐにピントが合わない」「目が疲れやすい」といった症状でも、老眼が疑われるそうです。

「スマホ老眼」から本格的な老眼へ

梶田院長が今、最も危惧しているのは、スマホの見過ぎによる視力問題です。スマホ老眼という言葉も登場しましたが、まさにこの状態が老眼を早めている可能性があると言います。「一般的に、スマホを見る距離はかなり近いため、しっかり見るためには両目を内側に寄せる寄り目にする必要がありますが、その状態を長く続けるとその状態で凝り固まり、ピント合わせがうまくできなくなってしまうのです」(梶田院長)
これがまさにスマホ老眼の状態で、この状態を続けると目の調節力がどんどん衰え、本格的な老眼に進んでしまうのです。「水晶体の厚みを変えているのは、毛様体筋やチン小帯(水晶体と毛様体筋をつなぐ組織)です。ケガや病気などで長い間歩かない状態が続くと、足の筋力が衰えて歩けなくなるのと同じで、ずっと近くばかりを見ていると毛様体筋の力が衰えて調節力が弱まり、老眼が進んでしまうのです」(梶田院長)

スマホ老眼から老眼に進めない対策

もしかして私も?とドキッとした人もいるでしょう。先に挙げたような症状に心当たりがあったら、まずは目の健康を回復するセルフケアを実践してみましょう。梶田院長が有効なセルフケアとして勧めているのは、次の3つです。

  • 遠くを眺める
    パソコンやスマホの使用中は、10分間に1回は目を離し、4~5m先を眺める(1~2秒間、遠くにピントを合わせる)。
  • 目と目の周りを温める
    電子レンジなどで40度ほどに温めた蒸しタオルを目の上に乗せて、10分ほど温める。
  • ピント調節力を改善する目薬の使用
    ネオスチグミンメチル硫酸塩やビタミンB12などが含まれた目薬を適切に使う。
    「遠くを眺めるのは視力をよくするためではなく、ときどきピントを遠くに合わせて目を動かすことが目的。目を温める際、市販されている蒸気で温めるタイプを使うときは、長時間使うことによる低温やけどには注意してください。目薬は1日5回ぐらいの使用にとどめ、使い過ぎないよう気を付けましょう」(梶田院長)

30代になったら遠近両用のメガネを

こうしたセルフケアをしても、「何となくモノが見えにくい、目に力を入れないとよく見えない、普段使っている近視用のメガネが合わなくなったという人は、思い切って遠近両用のメガネを作ってみては」と梶田院長は勧めています。
「最近の遠近両用のメガネは、光学技術の発達でレンズの進化が著しい。今のレンズは〝累進屈折力レンズ〟と呼ばれるもので、近くも遠くも快適に見えます。昔のように遠くを見る部分と近くを見る部分に線が入っているものはもうありません」(梶田院長)
遠近両用のメガネを作る際のポイントは、個人差もありますが、遠近の「遠」の部分は5mぐらい先の距離に、「近」の部分はスマホが快適に見える距離に合わせるとよいそうです。
「30~40代はそのメガネ1つで足りると思いますが、50代になると老眼が一気に進むため、3~4年に1回は眼科で見え方を確認し、必要に応じてメガネを作り替えたほうがいいかもしれませんね」(梶田院長)

遠近両用のコンタクトレンズも登場

最近では、遠近両用のコンタクトレンズも進化し、遠くも近くも快適に見えるタイプが登場しています。ただ、遠近両用を使う場合は、コンタクトレンズを使い始める前にメガネに慣れておいたほうがよいと、梶田院長はアドバイスします。
「メガネよりコンタクトのほうが見え方はラクなので、遠近両用のコンタクトに慣れると、メガネが使いにくくなってしまうのです。しかし、目の病気などでコンタクトが使えないこともあるので、遠近両用のメガネは必要です。メガネの見え方にも慣れるよう、毎朝と毎晩、それぞれ20分ぐらいメガネをかける時間を作るといいでしょう」(梶田院長)
老眼は加齢の一つですが、セルフケアや適切な遠近両用のメガネ、コンタクトレンズの装着で、快適に過ごすことができます。「あれ?」と思ったら、まずは眼科やメガネ店で相談してみましょう。

監修 梶田眼科院長 梶田雅義先生

  • このコラムは、掲載日現在の内容となります。
    掲載時のものから情報が異なることがありますので、あらかじめご了承ください。

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