動脈硬化のリスクを減らすには

Lesson4で紹介したように、動脈硬化の危険因子はたくさんあります。脂質異常症や高血圧、糖尿病などにかかっている場合は、まずその治療をしっかり行いましょう。
そのうえで、自分でも次のような生活を心がけてください。

肥満を解消する

肥満、とくに内臓脂肪型肥満の解消は、動脈硬化の危険因子である高血圧、糖尿病、脂質異常症などの改善にも役立ちます。ウエストのあたりが太くなってきたら、内臓脂肪が増えている可能性があります。
食生活に気をつける、適度の運動をとり入れるなど、肥満解消に取り組みましょう(「肥満」の章を参照ください)。

動物性脂肪を減らし、野菜を増やす

肉類などに多い動物性脂肪をとりすぎると、血液中の脂質が増え、肥満になりやすく、また動脈硬化を促進する原因となります。
肉類の食べる量をひかえめにすると同時に、野菜をたくさん食べるようにしましょう。野菜には、塩分を排出して血圧を下げる効用や、脂質の酸化を防いで動脈硬化を予防する効果も期待できます。

適度の運動をとり入れる

運動は、肥満解消のほか、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの改善にも役立ちます。
ただし、すでに動脈硬化がある程度進んでいる場合には、いきなり運動を始めると心臓や血管に急激な負担がかかり、危険なこともあります。階段を上っただけで息がきれるといった人は、まず病院で検査を受け、医師の指導を受けるようにしてください。
予防のための運動には、軽めの有酸素運動が適しています。自分の体力や症状などに合わせて、散歩、ウォーキング、アクアサイズ(水中運動)などから始めましょう。

禁煙を心がける

コレステロールが血管内壁にとり込まれ、酸化すると動脈硬化が促進されます。その酸化を助長するのが、タバコによる活性酸素です。動脈硬化の予防や改善には、できるだけ禁煙を心がけましょう。