vol.192 日焼け止めの種類と塗り方を知って、効果的な紫外線対策を

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梅雨が明けたら本格的な夏が始まります。7~8月は最も紫外線が強くなる時期。紫外線を浴び過ぎると、健康被害や老化に影響しているとしており、皮膚に関してはシワ、シミ、皮膚がんに関係しているとされています(※1)。
紫外線対策として、日焼け止めを塗ることは知られていますが、正しい塗り方をご存知ですか? 時間や場所によって日焼け止めの種類を選び、正しく使うことで紫外線防止効果を高めましょう。

vol.192 日焼け止めの種類と塗り方を知って、効果的な紫外線対策を

日焼け止めは効果と成分で選ぶ

梅雨が明けたら本格的な夏が始まります。7~8月は最も紫外線が強くなる季節。紫外線を浴びすぎると健康被害や老化の原因になると考えられており、皮膚に関してはシワ、シミ、皮膚がんに関係しているとされています(※1)。

紫外線は波長により、UV-A(波長 315~400nm)、UV-B(波長 280~315nm)、UV-C(波長 100~280nm)に分けられます。最も短い波長のUV-Cは成層圏オゾンや酸素などの空気分子に完全に吸収されて地上では観測されません。UV-AとUV-Bは地上に届き、健康被害を起こす原因になることが分かっています。特にUV-Bは皮膚の赤みを増す作用が強く、浴びすぎると皮膚がんになる作用があります(※2)。

紫外線を防ぐ手段として、帽子、日傘、手袋、サングラスなどが利用されますが、今回は日焼け止めに注目しました。日焼け止めの効果はUV-A、UV-Bをそれぞれ、どれだけ防げるかという指標で示されます。UV-A を防ぐ指標はPA(Protecition grade of UV-A)、UV-B を防ぐ指標はSPF(Sun Protection Factor)で表しています。PAは4段階(PA+、PA++、PA+++、PA++++)の防御効果で表し、「+」が多いほど防御効果が高くなります。SPFは、1~50+の数字で表し、数値が大きいほど防御効果が高くなります。

また、日焼け止めには大きく分けて「散乱剤」と「吸収剤」があります。「散乱剤」は物理的に紫外線を散乱することにより皮膚へ紫外線が届くのを防ぎ、「吸収剤」は紫外線を吸収し熱エネルギーなどに変えることで防ぎます。

吸収剤は肌に塗っても白くならないという特徴を持っている反面、かぶれや皮膚アレルギーを起こす場合があります。一方、散乱剤は白くなりますが、アレルギーを起こすことはほとんどありません。子ども用や肌が敏感な人向けの日焼け止めには、散乱剤のみを含んでいるものが多く「吸収剤不使用」、「紫外線吸収剤無配合」、「紫外線吸収剤フリー」、「ノンケミカルサンスクリーン」などとパッケージに書いてあることが多いようです。

また、SPFが高いほど皮膚への負担も大きくなるため、使用するシーンによって選ぶことが大切です。

シーンに合わせて日焼け止めの使い分けを

日焼け止めは、シーンによってSPF、PAの表示を見て選びましょう。洗濯ものを干したり、買い物をするなど日常の外出では、SPF10~20、PA+~++が適切です。(※1)屋内にいても、日の当たる窓際にいるときは日常の外出と同様に紫外線対策が必要です。UVカットガラスではない車に乗っているときも同じです。紫外線は、窓ガラスを通して、中まで降り注いでいることを忘れてはいけません(※2)。

また、スポーツやレジャーでは、防御効果が高めのものを選びましょう。夏場や長時間外にいる場合はSPF40~50+、PA+++~++++を使用するといいでしょう。(※1)。

また、赤道に近づくほど紫外線は強くなり、北海道と沖縄での年間の紫外線量は2倍程度の違いが見られます。南に旅行へいく場合には、少しSPFが高めの日焼け止めを選ぶといいかもしれません。

レジャーでは、汗をたくさんかいたり水に入ったりする場合は「ウォータープルーフ」等と書かれた耐水性が高いものを選ぶとより効果的です。ダイビングでは海に入るからと油断しないようにしましょう。水深50cmでは地表面の40%の紫外線が透過します(※1)。また、水面の反射によって、地表で紫外線にさらされる量よりも強い線量になりますので、海水浴の場合も防御効果が高いものを選びましょう。

外に出る15分前に塗り、2時間おきに塗り直すのがポイント

日焼け止めは外に出る15分前に塗り終えておくことが大切です(※2)。というのは、肌になじむまで15分程度かかるからです。塗り方はしっかりと厚めに塗りましょう。薄くササッと塗ったのでは効果が期待できません。

さらに、日焼け止めの効果が持続するのは2時間程度なので、紫外線を浴びる状況では2時間おきに塗り直すことが大切です。ただし、汗をかいたり泳いだりした場合は、すぐに塗り直しましょう。

最後に皮膚のためには、日光に当たった後、日焼け止めを速やかに落とすことも重要です。洗顔料や専用のオフ剤などを使ってきちんと落とし、そのあとはしっかり保湿を行いましょう(※2)。

大量の紫外線を浴びるとその影響は、何十年もたってから現れてきます。正しく日焼け止めを使用して、紫外線による健康被害を防ぎましょう。

参考文献:

(※1)環境省「紫外線 環境保健マニュアル 2015」

(※2)小川徹「ハーバード現役研究員の皮膚科医が書いた 見た目が10歳若くなる本」東洋経済

このコラムは、掲載日現在の内容となります。掲載時のものから情報が異なることがありますので、あらかじめご了承ください。

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