就寝後に排尿のため、1回以上起きてしまうことを「夜間頻尿」といいます。日本泌尿器学会の調査では、40歳以上の男女で45,000人がその症状を有すると報告されています。夜間頻尿の原因はひとつではなく、水分の摂りすぎの場合もあれば、膀胱容量の減少、また糖尿病や腎臓の障害、睡眠時無呼吸症候群などの疾患によることも考えられます。
そして高血圧との関係ですが、血液中の塩分が多い場合、腎臓は夜間から早朝にかけて、塩分を尿で排出するために血圧を上げる物質を分泌します。これは夜間・
早朝高血圧の原因のひとつですが、その結果、夜間頻尿が生じる場合があります。
夜間頻尿の原因が、高血圧や腎機能障害、また
睡眠時無呼吸症候群などの場合は、原因となる疾患の治療が必要です。就寝前に水分を摂りすぎないように注意しても夜間頻尿が改善しないようであれば、泌尿器科を受診してください。
また、夜トイレに行く際、特に冬場は寒暖差による急激な血圧の変化、「ヒートショック」にも気をつけましょう。トイレは暖房が入ってない場合が多いため、寒さで血管が収縮し、急に血圧が上がる場合があります。時には心肺停止に至ることもあるため、もともと血圧が高い方は、できればトイレに小型の暖房器具を入れておくなど、あらかじめ寒暖差をなくすように心がけてください。