怖い!3大合併症

3大合併症とは

糖尿病の怖さは合併症にある…といわれます。病院で糖尿病だと診断されても、初期には自覚症状はあまりありません。ところが放置していると、数年から10年程度で非常に恐ろしいさまざまな病気を引き起こします。その代表が、3大合併症です。
糖尿病の若年化につれ、合併症の発症も早まりつつあります。もし糖尿病と診断されたら、自覚症状がなくても油断せずに、しっかり血糖値のコントロールを心がけましょう。

糖尿病の主な合併症

糖尿病性神経障害 高血糖の状態が続くと、手足の血行が悪くなり、神経障害が起こります。しびれや感覚のにぶりなどに始まり、悪化すると壊疽(えそ)を起こし、下肢切断の危険も生じます。
糖尿病性網膜症 血行障害から眼底の血管がつまり、視力の低下から、悪化すると失明状態にいたります。中途失明の原因の第1位は、糖尿病によるものです。
糖尿病性腎症 高血糖のために腎臓のフィルターがつまり、血液のろ過がうまくできなくなり、悪化すると人工透析が必要となります。糖尿病が原因の人工透析患者は、毎年1万人ものペースで増え続けています。
その他の合併症 血管系(動脈硬化による心筋梗塞、脳卒中など)
呼吸器系(肺炎、肺結核など)
泌尿器系(インポテンツ、排尿障害、膀胱炎など)
また、糖尿病の人は高血圧や脂質異常症を併発しやすいので注意が必要。

ワンポイントアドバイス

糖尿病やその予備軍の人のなかには、交感神経の働きで血圧が上昇したり、脂肪細胞から出る物質の働きで血液中の脂質濃度が高くなってしまう人もいます。こうしたタイプでは、糖尿病のほかに高血圧や脂質異常症を併発するケースが少なくありません。
3大合併症と同時に、高血圧や脂質異常症にも注意しましょう(糖尿病、高血圧、脂質異常症の併発についての詳細は、「メタボリックシンドローム」の章を参照ください)。