運動で内臓脂肪を減らす

皮下脂肪とくらべると、内臓脂肪は運動によって減らしやすいという特徴があります。毎日の生活に適度の運動をとり入れて、脂肪の付きにくいからだをつくりましょう。

基本は有酸素運動

脂肪を効率よく燃焼させるのが、ウォーキング、アクアサイズ(水中運動)、軽めのジョギング、エアロバイク(固定式の自転車こぎ)などの有酸素運動です。
現代人が慢性的な運動不足になっている最大の原因は、歩かないことです。まず手軽にできるウォーキングから始めてみませんか。運動の時間がまとめてとれない場合は、10分程度のウォーキングを1日数回くり返す方法でも、同じ効果が得られます。仕事をもっている人でも、ひとつ手前の駅で降りて歩く、昼休みに歩く、夕食後(食後1〜2時間後)に散歩がてら歩くなど、工夫してみましょう。
最近は、坂道や階段を歩くスローピングも注目されています。坂道や階段は足腰にかかる負荷が大きいので、短時間で運動効果が期待できます。
肥満や高齢などが原因で、足腰が弱っている場合には、浮力を利用したプールでのアクアサイズが適しています。水中運動の教室などを開いている施設に、相談してみましょう。

筋肉運動で基礎代謝量をアップ

筋肉量が増えると、基礎代謝量(生命維持に必要な基本的なエネルギー消費量)が多くなり、エネルギー消費量も増えます。それだけ脂肪が付きにくいからだをつくることができます。
筋肉運動といっても、バーベルを持ち上げるような強い運動は必要ありません。先ほど紹介したスローピングや、テレビを見ながらの軽い腹筋や背筋運動、浅めの屈伸運動のくり返し、ダンベル運動など、いろいろな方法があります。足や腕に適度の負荷をかけ、筋肉を維持することが目的なので、無理をせずに少しずつ続けましょう。
アメリカで開発されたサーキット・トレーニングでは、有酸素運動と筋肉運動を30秒ごとにくり返し、これを10分間続けるという方法もあります。たとえば腹筋を30秒、ウォーキングを30秒、腕立て伏せを30秒、またウォーキングを30秒…といったやり方です。ただこの方法は自宅ではやりにくいので、スポーツジムなどで指導してもらうようにしましょう。
自分でもウォーキングの途中で、軽い屈伸運動や腕立て伏せをとり入れるなどして、有酸素運動と筋肉運動を適度に組み合わせることができます。両方を組み合わせると気分転換にもなるので、体力に合わせて無理をしない形で工夫してみましょう。

ワンポイントアドバイス

運動がなかなか続かない人は、運動日誌をつけてみませんか。運動をした日には、どんな運動をどの程度の時間したのか、メモ程度でもかまわないので記録します。できれば運動の前後に、体重や血圧、体脂肪率なども測定し、記録しておきます。
日誌をつけると、体重や血圧などの変化もわかりやすく、それが励みになって少しずつでも続けることができます。また、自分に合った運動を見つけるきっかけにもなります。