脚のむくみの原因は

気になる病気(1)…肝臓と腎臓の障害
そのためアルブミンの量が低下すると、細胞間質(細胞と細胞のすき間)にある水分を血管に取り込む圧力が弱くなり、水分がたまりやすくなることがわかってきました。
アルブミンは、食べ物などにふくまれるタンパク質をもとにして肝臓で合成され、腎臓でろ過されます。そのためアルブミンが低下している場合には、肝臓や腎臓などになんらかの障害がある可能性が考えられます。そのサインの一つが、むくみです。
したがって、脚などのむくみがなかなか治まらない場合には、アルブミン検査を受け、肝臓や腎臓などの機能をチェックすることが大切です(※1)。
肝臓障害(肝硬変)を起こすと、脚だけでなく全身にむくみを生じることもあります。また、腎臓障害の場合には、まぶたや顔にもむくみが出ることが少なくありません。
こうした症状は自分でもわかりやすいので、症状がみられたら早めに受診しましょう。
(※1)アルブミン検査では通常、アルブミンの量のほか、血清中のもう一つのタンパク質であるグロブリンとの比(A/G比)を検査します。この検査によって、肝硬変やネフローゼ症候群など多くの病気の可能性を知ることができます。
気になる病気(2)…心不全・下肢静脈瘤ほか
どちらも夕方になると、脚のむくみと疲れが出やすくなります。立ち仕事が多い人も、夕方に脚がむくみやすいのですが、こうした一過性のものとは異なり、症状が続く場合には注意が必要です。
心不全というのは、心臓がポンプの役割を正常に果たせなくなった状態をいいます。心臓が血液を送るときの圧力が弱くなると、心臓から遠い脚では血行が悪くなり、その結果、脚のむくみなどの症状を起こします。ほかに、階段を急いで上ったときに息切れしたり、動悸がしたりする症状もみられます。
脚のむくみから、心不全の原因となる動脈硬化や狭心症、心筋梗塞などの重大な病気が発見されることもあるので、早めに受診することが大切です。 下肢静脈瘤というのは、脚の静脈にある弁(逆流を防ぐための弁)に障害が起こり、血液が脚にたまりやすくなる病気です。もっともわかりやすい症状は、脚の血管がこぶのようにボコボコとふくらむことです。また脚がむくみ、疲れやすくなり、夜中につることも少なくありません。
下肢静脈瘤は、すぐに生命にかかわる病気ではありませんが、血管が皮膚の表面に盛り上がるため、とくに女性には深刻な問題です。初期なら弾性ストッキングなどを着用することで、かなり改善できるので、血管外科などに相談してみましょう。
そのほか、甲状腺機能の低下や原因不明の突発性浮腫(むくみ)によって、脚にむくみが出ることもあります。また、がんの手術でリンパ節などを切除したあとには、リンパ浮腫が起こりやすくなります。
むくみのケアをしっかりと
脚がむくみやすい人は、しっかりケアをしましょう。ただし、病気の可能性がある人は、ケア方法についても医師に相談してください。
<むくみの解消>
脚のむくみを解消するには、マッサージが効果的です(がん手術後のリンパ浮腫の場合には、必ず医師に相談してから始めてください)。
マッサージといっても、もむのではなく、なでるようにしてリンパ液の流れを改善します。リンパ液には老廃物を運搬する働きがあるので、脚の疲れをとる効果もあります。
(1) 両手をひざの両側に軽くあて、脚の付け根にあるリンパ節に向けて、ももをやさしくなで上げていきます。最初は、ももの表側を下から上に向けてなでます。
(2) 同じように、ももの裏側を下から上に向けてなでます。
(3) 次に足首付近に両手をあて、ひざに向かってなでます。
(4) 同じように、ふくらはぎをひざ裏に向かってなでます。
(5) 最後に、足首付近から脚の付け根に向けて、そっとなでます(表側と裏側)。
床に座って脚を軽く伸ばし、ひざを少し立てる姿勢をとると、マッサージをしやすくなります。いずれも力を入れず、10回程度ずつ行います。
<むくみの予防>
脚のむくみを予防するには、日ごろからの心がけも大切です。
(1) 適度の運動
ふくらはぎやももの筋肉が弱ると、血液などの流れが悪くなり、むくみやすくなります。ウオーキングや散歩などで、よく歩くことを心がけましょう。
(2) 階段を使う
階段の上り下りは、脚の筋肉をよく使うので、血行などの改善に効果的です。日ごろからできるだけ階段を使うようにしましょう(ひざ痛や腰痛がある人は、無理をしないこと)。
(3) 脚の先を動かす
脚の先を動かすと、ふくらはぎの筋肉も動き、血液などの流れがよくなります。いすに腰かけた姿勢で、かかとを上げ下げする。また、かかとを床につけて、つま先を上げたり、伸ばしたりする運動をしましょう。
(※2)前述したアルブミンには、栄養素を運搬したり、リンパを刺激して免疫物質をつくる働きもあります。そのためアルブミンが減少すると、疲れたり、免疫力が低下することもわかってきています。
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