COPDの検査と診断―早期発見するために―
COPDの早期発見につながる肺機能の検査
長期にわたる喫煙習慣があり、慢性的に咳や痰、運動時の息切れがある場合、COPDが疑われます。診断は、肺機能検査(スパイロメトリー)※といわれる呼吸機能を調べるほか、胸のX線写真やCT検査を行い、総合的に調べた上でCOPDかどうかを判断します。とくに、気管支拡張薬の吸入前後に行うスパイロメトリーが重要です。
※スパイロメトリー:呼吸時の肺から出入りする空気の量を測って、肺機能(肺の容積や気道が狭くなっていないかなど)をチェックする検査
喫煙者は40代から検査をしましょう
肺の機能は20代がピークで、その後は健康な人でも低下します。たばこを吸う人は、吸わない人に比べて2倍のスピードで肺の機能が低下するといわれています。COPDが進行すると肺の機能は元に戻りにくいので、喫煙習慣のある人は症状の有無に関わらず40代から肺機能検査を受けましょう。
ちょっとしたことで息切れする場合はCOPDを疑いましょう
COPDの多くは未診断・未治療だといわれています。COPDでは、咳や痰など風邪に似た症状がみられ、特徴的な症状としては「息切れ」が挙げられますが、これらの症状を加齢によるもの、あるいは風邪の症状だと考えてなかなか治療に至らないのが実情です。そのため発見されたときにはかなり重症化しているケースも少なくありません。日常生活のちょっとしたことで息切れを起こすような場合には検査が必要です。可能であれば、呼吸器内科など、COPDに詳しい専門医の診察を受けることをお勧めします。
息切れはどの程度?
COPDの呼吸困難(息切れ)は、多少日によってばらつきはありますが、基本的に持続性があり進行していくのが特徴です。
早期のCOPD:階段や坂道を上がる時に息切れする
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呼吸機能悪化:同年代の人と同じ速さで歩けなくなる、軽い運動でも息切れする
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COPDの進行期:着替えや洗面などの日常の動きでも息切れする、安静時でも呼吸が困難
監修:鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 呼吸器内科学分野 教授 井上 博雅先生